伝教大師1200年御遠忌を迎えるにあたり、天台宗宗祖、伝教大師最澄の東国巡礼の足跡を辿り、その拠点とされた寺院をご紹介します。
特集「門前シリーズ」、今回は栃木県内に現存する最古の寺院、「大慈寺(だいじじ)」を訪ねます。
JR岩舟駅から車で15分、東北自動車道 佐野藤岡I.Cから車で25分。四季を通じて花が絶えることのないここ「大慈寺」は、 その恵まれた自然の営みとともに、平安時代随一の学僧といわれる慈覚大師円仁が、9才から6年間修行した寺としても有名です。
また、聖観音菩薩坐像をはじめ、相輪橖(そうりんとう)や華鬘(けまん)など、多くの文化財が保存されています。
慈覚大師円仁が剃髪に使い、さらに、その水を諸堂に献上したという「御霊水の井戸」。千二百年以上湧き出る水は飲めば開運を授かるとか。
大慈寺の数ある文化財の中でも、特に重要なのが、最澄が全国の6か所の寺に建てた塔の一つ、栃木県指定有形文化財の「大慈時相輪橖」。
後に大火で焼失するも、享保10年、1725年に再建しました。正面には「南無妙法蓮華経」の7文字が刻まれています。
慈覚大師円仁の座禅修行の場として知られているのが大慈寺奥の院。栃木市指定史跡になっています。
こちらは大慈寺からほど近い「三毳山(みかもやま)」のふもとにある「相良酒造」1831年の創業以来、杜氏を招聘して酒造りを行ってきました。
しかし、蔵元社長である相良洋行さんの代になり「これからは蔵元自身が酒を造るべき」という考えに至ります。
そんな中、25歳の若さで蔵元杜氏のバトンを渡された女性がいます。相良沙奈恵さんです。北関東では珍しい女性杜氏の一人。そんな相良酒造が大慈寺に献納したお酒が「紫雲」です。
伝統文化の灯を消したくないという相良酒造と共に大慈寺は栃木県岩舟町の地で1200年以上もの歴史を刻み続けています。
さらに下部の動画では、今回の道のりやスポットを詳しくお楽しみいただけます。是非ご覧ください。