天台宗について

法話集

悲 観(ひかん)

 試験の点数が悪くて悲観したとか、性格が悲観的だとか、悲観という言葉は、楽観の反対語として通常使われる言葉です。
 辞書を見ても、よくない結果ばかり予想して失望することとか、望みを失って悲しむこととか、世の中や人生を悪いものだとして否定的に見ること、などとそれこそ悲観的な解釈が列挙されています。
 ところがあの有名な観音経には、「真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観」という五つの観が並ぶ有名な一節があります。観音さまが私たちを「正しく真実を見、執着せず清らかな眼で見、広く大きな智慧で見、悲しみ苦しみを見、そして慈しみの眼で見て」下さるというのです。
 五つの観のうち四番目の観が「悲観」ですが、悲には、悲しむ、あわれむ、苦しみを抜くという意味があります。
 観音さまは、悲しんでいる者を見れば、まるで母親が嘆き悲しんでいる我が子を見て、即座に強く抱きしめ一緒に悲しんでくれるように、「わかりました。もう大丈夫だよ。安心しなさいよ」といって癒して下さるのです。
 私たちも、悲観している人に対して、観音さまのように広い心で、ともに悲しみ、苦しみから救う慈しみの心のある人でありたいものです。
掲載日:2010年09月21日

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