天台宗について

法話集

No.35散華(さんげ)

 寺院ではいろいろな法要を営むとき、仏さまをお迎えする道場を清浄(しょうじょう)にして、諸々の仏さまを讃歎(さんだん)し、供養するために花が撒かれます。
 これを『散華』といいます。
 経典には、仏さまが説法をする際に、天から花が降ってくると説かれており、これは『天人が仏さまを讃歎して花を降らせる』という意味なのです。
 インドでは蓮弁や花を冠状にした生花を用いていました。
 日本ではすでに奈良の正倉院にも納められています。蓮弁(ハスの花弁)や花びらの形を模(かたど)ったもの、文字だけのものや、絵や彩色が施されたものがあります。一般には、木版などで印刷されたものなどが使用されています。
 その他にも、樒(しきみ)の葉が蓮弁に似ているということで、代わりに用いられることもあります。
 最近では、美術品として収集されている方もいらっしゃるようですが、本来は、大事なお客様などを接待する行事などの際、掃除をしたり、花を生けたりして部屋や会場をお飾りするのと同様に、心を込めて仏さまやご先祖様をお迎えし、供養するための大事な作法のひとつなのです。
掲載日:2007年01月30日

その他のおすすめ法話

ページの先頭へ戻る