天台宗について

法話集

青色青光

 以前、とある大僧正がしたためられた色紙に「青色青光」と書かれているを目にしました。とても素晴らしい言葉なのですが、今この文章を読んでいる方も、文字を見ただけでは意味が分からない事かと思います。

 お釈迦様の説かれた「阿弥陀経」という御経典の中に、「青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光」という一文が有ります。仏さまの世界には色とりどりの花々が咲いており、どの花も光り輝いている。青色の花は青い光、黄色い花は黄の光、どれも優劣なく美しい。つまりこの一文は、皆それぞれに役目があり、それを全うすることで仏さまの世界は美しく保たれているということを表しているのです。

 金子みすゞさんも詩の中で「みんなちがってみんないい」と詠い、近年流行した歌にも「ありの~ままで~♪」というフレーズがあります。ダイバーシティやジェンダーレスという言葉に代表されるように、個性や多様性の尊重、男女の平等が叫ばれる昨今。二千年以上昔に説かれた仏さまの教えの中に、これから私たちが進むべき方向が示されているのではないでしょうか。

 そして差別の無い社会が生む平等の中には、純然とした秩序もまた内包されていなければなりません。大きな声で出された意見だけが取り上げられるのではなく、一人ひとりが輝く、天台宗が掲げる「一隅を照らす」人をさらに増やしたい。大僧正はおそらくこんな思いで色紙をしたためられたのでないでしょうか。


(文・東京教区 等覺院 石川 亮岳)
掲載日:2018年05月01日

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