天台宗について

法話集

斎食儀〈食事作法〉

斎食儀(食事作法)

 私たち人間は、食事を摂らなければ生きていけません。最も基本的な生活の一部であり重要な営みです。それはどんな生き物でも何ら変わりはありません。しかし私たちはその生き物の命をいただいて生きているのです。私たちは直接生き物の命を奪っていることを意識せずに食事をしていますが、野菜でも、肉でも、生き物の命を食べているということに変わりはないのです。
 お米も、本当は子孫を作る可能性を秘めたまま食されます。一粒万倍とよくいいますが、成長すれば稲穂を付け、たくさんのお米が実るはずの一粒です。その命を奪わなくては、私たちは生きてはいけないのです。私たちは多くの命に支えられて生きているのですから、たくさんの可能性を秘めて一生懸命生きていた食べ物に、せめて感謝の心を忘れず、支えていただいた命を無駄にしないためにも私たち自身も活かし、全ての命のために努力をしなくてはならないのです。そのおかげで今、私たちは生きることができるのですから。
 天台宗では、一般の人でも食前・食後にお唱えする斎食儀(さいじきぎ)という食事作法(じきじさほう)があります。これは、下に示す文をお唱えして新たな心で食事をいただくのですが、この文は、天台大師の説かれた『観心食法(かんじんじきほう)』をわかりやすくしたものです。これをお唱えすることによって、感謝の気持ちを持ち、心豊かな日々の生活を送っていただきたいと思います。

  「食前の言葉」
われ今(いま)幸(さいわい)に、仏祖(ぶっそ)の加護(かご)と衆生(しゅじょう)の恩恵によって、この清き食(じき)を受(う)く。つつしんで食(じき)の来由(らいゆ)をたずねて、味の濃淡(のうたん)を問わず。その功徳を念じて品(しな)の多少をえらばじ。いただきます。

  「食後の言葉」
われ今、この清き食(じき)を終わりて、心ゆたかに力(ちから)身(み)に充(み)つ。願(ねが)わくは、この心身(しんじん)を捧(ささ)げて己(おの)が業(わざ)にいそしみ誓って四恩(しおん)に報(むく)い奉(たてまつ)らん。ごちそうさまでした。  
掲載日:2010年04月22日

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