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法話集

四苦八苦(しくはっく)

 とても苦労した時や苦悩したときに「四苦八苦する」と表現したり、人間のあらゆる悩みのことを指して「四苦八苦」といいますが、では具体的に四苦八苦とはどのようなことをいうのでしょうか?
 まず、苦とはサンスクリット語のduhkha(ドウクハ)に由来し、「ドウクハ」の「ドウ」は「悪い」という意味で、「クハ」は「運命」「状態」を表します。直訳すると苦とは、悪い運命、悪い状態となりますが、阿毘達磨(あびだるま)(紀元前2世紀頃の仏教文献)によると苦とは逼悩(ひつのう)と定義され、「圧迫して悩ます」という意味をもちます。つまり苦とは、自分ではどうにもならないことをいうのです。
 次に四苦八苦の四苦ですが、原始仏教や部派仏教の経典によると、四苦とは「人間として逃れられない必然的な苦しみ」である生苦(しょうく)(生まれてくる苦しみ)、老苦(ろうく)(老いていく苦しみ)、病苦(びょうく)(病気になる苦しみ)、死苦(しく)(死ぬ苦しみ)をいい、さらに「人間として味わう精神的な苦しみ」である、怨憎会苦(おんぞうえく)(嫌いな人との出会いによる苦しみ)、愛別離苦(あいべつりく)(愛する人との別れによる苦しみ)、求不得苦(ぐふとっく)(求めても得られない事を求めてしまう欲から生じる苦しみ)、五蘊盛苦(ごうんじょうく)(人の存在そのものからくる苦しみ)の以上四つの苦を加えて四苦八苦といいます。
 以上のように本来は四苦と八苦で合計八種類の苦しみを表していましたが、やがて、一般的に人間のあらゆる苦しみを指す言葉として用いられるようになりました。 
掲載日:2011年09月28日

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