天台宗について

法話集

諸行無常

 1年が過ぎ行くのは大変早く感じられます。しかしその移り行く時間のスピードは人それぞれで、リニアモーターカーか、新幹線、それとも特急列車か、各駅停車の鈍行列車か、それぞれの感じ方は、三者三様ですが、止まってしまっている人や逆戻りしている人は在り得ないのではないでしょうか。時には苦境に置かれ早く時が過ぎればよいのにと思うこともあるでしょう。

 私たちの生きているこの世は、毎年、毎月、毎日、毎時、毎分、毎秒、毎刹那(瞬間)に移り変わり生滅を繰り返しています。ひと時たりとも同じ時はありません、刻々と変わっていきます。二度と帰ってこないのです。そのように考えますとこの一瞬一瞬の、あり難くもったいないことに気がつくのではないでしょうか。

 今の自分はもう二度とないのです。

 父母は永遠に元気でいてくれるわけではありませんし、妻や夫は変わらず愛していてくれるとはかぎりません。また、可愛い子供は、お父さん、お母さんと頼って擦り寄ってくるのは、あっという間のことです。このようなことを思うと、お年寄りの方々は若いものの為にもう一度がんばって何か出来ないだろうか、また、親を亡くした時もっと親孝行すればよかった、夫婦の間では優しい言葉をかけてあげられなかった、自分勝手で相手の気持を考えてあげられなかった、子供には本当の幸せを見つけられるように導いてやれなかった。等々、後悔は先にたたずと申しますがひと時の大切さがしみじみと湧いてきます。

 諸行無常(この世のものはすべて移り行き生滅するもの)でありますから、一時一時を大切に、人の為になるように生きてまいりましょう。


(文・山形教区 藥師寺 守谷 俊章)
掲載日:2015年11月01日

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