天台宗について

法話集

人 間(にんげん)

 この言葉は、漢文では原則として、人の意として「じんかん」と読むが、「じんかん」は世間、この世の意味であり、中国古典では真なる世界に対する俗世間という語感をもつこともあるようです。これをいわゆるお経読みといわれる読み方で「にんげん」と発音するのは、もとは仏教のことばだからです。
 サンスクリット語の「マヌシャ・ローカー」という語を漢訳すると、「マヌシャ」は人、「ローカー」は世間という意味で、あわせて「人の住むところ」「人間界」「人趣」などと訳されました。
 仏教では「人身(にんしん)受けがたし」(人間に生まれることは難しい)といいます。たとえ人間に生まれても、仏に出会ったり、その教えを聴くチャンスは稀であります。そして、この世の生きとし生けるものを衆生といい、それに地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天の六道があると説きます。このような段階わけをする考え方の背景には「輪廻(りんね)」の思想があり、私たちの人間生活の生きていく上での心構えともいえましょう。
「じん」と呼びならわす時には比較的人間を個人としてとらえ、「にん」と呼ぶ場合は、人情、人相など仏教的に育まれた人間観をそこに見ることが出来るように思われます。
掲載日:2010年11月22日

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