天台宗について

法話集

No.88名刹・古刹(めいさつ・こさつ)

 名刹・古刹というと、有名な由緒あるお寺や歴史があり古いお寺をいいますが、それではなぜ「刹」の字がお寺の事をさすのでしょうか?
 刹には二つの意味があります。一つめはサンスクリット語のksetraの音写で、刹多羅(せつたら)や差多羅(さたら)と表記され、土・地・田・国・国土などと意訳されます。また、土地・領地・田畑・国土などを意味し、転じて神聖な土地・聖地や仏が現れて衆生を教化する世界つまり仏国土をも意味する語となりました。
 二つめの意味は、サンスクリット語のyastiの音写で、柱・竿などと意訳されます。古代インドや西域ではお寺の堂塔の前に柱や竿を建て、先端に宝珠・火焔の目印をつけてお寺の標識としたり、僧侶が修行の末、一法を得た時、柱の先端に旗を付けてお寺の周辺や遠方の人に知らせたそうで、そうしたことからこの語が、やがて寺院を意味するようになったとういうことです。
掲載日:2011年06月20日

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