平成28年8月3日(水)~5日(金)の2泊3日の日程で、第51回天台青少年比叡山の集いが、比叡山延暦寺を会場に開催されました。全国から180名の中学生と小学6年生が参加しました。
1日目、最初の行事である結団式が、根本中堂にて執り行われました。開会に先立ち、東日本大震災にて被災された犠牲者への哀悼の意を込めて黙祷が捧げられ、木ノ下宗務総長を導師に法楽が執り行われました。その後、期間中研修生を見守る「不滅の法灯」が分灯されました。また、研修生たちが事前に書き記した作文「将来の夢」が、研修生代表から、小堀延暦寺執行へと手渡され、比叡山の集いの象徴である「三つの誓い」が宣誓されました。
結団式を終えた後は発心会に臨みました。研修生たちの中に等しくある『仏性』を自覚し、仏を目指す『菩薩』の心、すなわち『道心』をおこしてもらうべく、森川宏映座主猊下を大導師に発心会を厳修。森川猊下は、研修生たちに優しく語りかけ、発心会の意義、伝教大師さまの教えについて分かりやすく丁寧に説かれました。
2日目は、5時半に起床後、式場リーダーの指導により、根本中堂にて座禅止観の実習が行われました。その後、分灯された「不滅の法灯」への献油を体験。間近に見る法灯に緊張しながらも、火を消してしまわないよう慎重に献油を行いました。
その後は、東塔・西塔・横川の三塔を巡る諸堂巡拝を開催。行程中にスタンプラリーや、班リーダーによる諸堂の説明、指令書によるクイズ、歌唱リーダーによる歌唱指導など、様々なイベントが行われました。楽しみながら天台宗や延暦寺について学習し、自然の雄大さや仲間と助け合うことの大切さを学びました。
諸堂巡拝を終えて延暦寺会館に戻ると、募金寄託式が執り行われました。受付の時に研修生から集められた浄財を、一隅を照らす運動会長大樹孝啓大僧正へと手渡され、世界の紛争や飢餓に苦しむ子ども達を支援するために、日本ユニセフ協会の早水研専務理事に寄託されました。
募金寄託式の後、比叡山宗教サミット29周年「世界平和祈りの集い」に参加。入場の際には、研修生が期間中に折った折り鶴を奉安し、15時30分に『世界平和の鐘』を打ち鳴らしました。また、研修生代表の山田幸希さんと山下瑞稀さんが壇上に立ち、「平和への思い」と題して、二人の平和への思いをそれぞれ述べました。式典の終盤には、研修生代表10名が登壇し「平和の合い言葉」を唱和しました。
19時より、期間中一番の盛り上がりを見せる営火が行われました。準備リー-ダーが設置したストームに「不滅の法灯」から採火された火が点火されると、研修生たちから大きな歓声があがり、総務リーダーの司会進行の下、各班、各ブロックリーダーが趣向を凝らしたスタンツを披露しました。
3日目、日程最後となる修了式が、大講堂にて執り行われました。小堀執行導師のもと法楽を執り行い、木ノ下宗務総長から修了証が手渡されました。そして、出仕された天台宗・延暦寺両内局が退堂されると、リーダーと研修生だけの修了式第二部が行われました。期間中研修生の一番近くで指導にあたった班リーダーから、別れの言葉が贈られ、研修生の目には涙が溢れていました。研修生はリーダーや班の仲間との別れを惜しみながら、再会を約束し、それぞれの帰路につきました。