天台宗について

法話集

No.87醍醐味(だいごみ)

 日常会話の中で「○○の醍醐味を味わった」とよく表現されますが、どんな味なんでしょうか?
 醍醐味とは、牛乳を精製する過程で経る、乳味(にゅうみ)・酪味(らくみ)・生酥味(しょうそみ)・熟酥味(じゅくそみ)・醍醐味の五段階の味の事で、大乗経典の『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』巻第14に「牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生酥を出し、生酥より熟酥を出し、熟酥より醍醐を出す。醍醐は最上で、もしこれを服するもの有れば病は皆除かれる。故に諸々の薬が悉く其の中に入っている。仏の教えもまた同じく、仏より十二部経(じゅうにぶきょう)を出し、十二部経より修多羅(しゅたら)を出し、修多羅より方等経(ほうどうきょう)を出し、方等経より般若波羅蜜(はんにゃはらみつ)を出し、般若波羅蜜より大涅槃(だいねはん)を出す」とあり醍醐味は最上の味で、大涅槃も同じように最上の教えであることがたとえとして書かれています。これを「五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)」といいますが、このたとえからその道の心髄や最高の味を味わったり、経験したときに醍醐味を味わうというようになりました。
掲載日:2011年05月19日

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