
忘己利他の実践はどのようにすればいいのであろうか。
己を忘れて他を利するは慈悲の極みなりと言う宗祖伝教大師最澄が書かれた山家学生式の冒頭の一部にある言葉ですが、どの様に実践をすればいいのか。簡単に言えば他の人が嫌がることを率先してやる。だと思います。それ実践が難しいことですよね。
好きでやっていますから…これはとある会の講演会に出た時に聞いた言葉です。
○○をやって大変ですね…好きでやっていますから。毎日やられて大変ですね…好きでやっていますから。
好きでやっているから続けられるのですよ。他人から言われてやるのではなく、自分でやりたいからやっているのですよ。
講師先生の言葉を聞いてこれって忘己利他の実践の一つになるのではないでしょうか?と思いました。
嫌々行動するよりも好きでやっていれば苦も楽になる。
「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、好きなことをやっていることによって他人にとっては嫌なことも自分にとってはいいことになる。
私は毎朝近所を散歩しております。なんとなく始めた朝の散歩ですが様々なことがあります。鳥の囀りや花の香り、あー田んぼがそろそろ始まるな、最近会わないけど元気にしているかな?久しぶりにお会いした時の他愛ない会話。「毎朝大変ですね」「雨の日でもされているのですか?」とか聞かれますが、「家にいるときはしていますよ。好きでやっていますから」の言葉を添えて実践しています。
日課に近所を散歩してみる。近所のごみ拾いをしてみる。毎朝仏壇に手を合わせてみる。等々難しいことかもしれませんがとりあえず行動するのもいいことかもしれませんね。
他人との他愛のない会話、最近では登下校の子供たちに声をかける事もままならない世知辛い世の中になっておりますが、毎日続けてれば「いってらっしゃい」「いってきます」「気を付けるんだよ」「はーい」と子供たちも返事をしてくれるようになりました。この言葉の繰り返しができる世の中に戻れたらな。と思い毎朝の散歩を続けています。
外食など行った時も「ごちそうさまでした。おいしかったです。」この言葉を帰り際に声をかけております。お店側も笑顔で「ありがとうございました。」と返ってくる。
感謝の言葉をかけるのも恥ずかしいと思われる方が多いとは思いますが、この言葉のキャッチボールが必要なのではないでしょうか。
己を忘れて他を利するって難しいとは思いますが、好きで行動し、人から感謝され、それを驕らなければ忘己利他の実践になるのではないでしょうか。大変なことも続けていくことによってだんだん好きになっていくはずです。
ありがとうございました。
(文・南総教区 安樂寺 坂本 観隆)