天台宗について

法話集

No.94六波羅蜜(ろくはらみつ)

 昨年は東日本大震災をはじめ多くの災害にみまわれた年でした。年も変わり心機一転すがすがしい気持ちで新年を迎えられた方も多いのではないでしょうか?「一年の計は元旦にあり」は中国の昔のことわざですが、今年一年充実した日々を過ごすために年があらたまったこの時期に新しいことに挑戦するなど計画をたてることはもちろん大切なことですが、今一度日々の生活を見つめ直すことも大切なことではないでしょうか?
 ではどんなことを心掛けて日々暮らしていけば良いのでしょうか?仏教においては菩薩は悟りを得るためにいろいろな修行をしますが、その一つに「六波羅蜜」があります。これは6種類の実践すべき徳目のことで、
1.a)布施波羅蜜・与えること。具体的には財施(喜捨をすること)。b)法施(真理を教えること)。c)無畏施(恐怖を除き安心を与えること)。2.持戒波羅蜜(戒律を守ること)。3.忍辱波羅蜜(苦難に堪え忍ぶこと、あるいは怒りを捨てること)。4.精進波羅蜜(真実の道をたゆまず実践し、努力すること)。5.禅定波羅蜜(精神を統一し、安定させること)。6.智慧(般若)波羅蜜(前述の5つを実践することにより真理を見極める智慧を得ること)。
 どれ一つとっても実践するのは非常に難しいですが、わかっていてもなかなかできないことを、一つでも実践できるように日々心掛けていきたいものです。
掲載日:2011年12月27日

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