天台宗について
海外の寺院~ハワイ別院のご紹介~
天台宗ハワイ別院
天台宗ハワイ別院は、1973年11月25日に開設されました。当時既に、日本人移民と共に渡ってきた浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗、真言宗などの諸宗派は、ハワイでの開教80年、90年の歴史を持ち、檀家制度の中それぞれ独自に信仰を広めていました。
太平洋戦争によって、一時寺院活動を中断せざるを得ない状況となりましたが、戦争が終わり、日本も敗戦の打撃から立ち直り、経済発展とともに日本の思想や文化についても、改めて世界から注目されるようになりました。
そこで、日本の仏教のみならず、思想や文化を理解してもらうことと、国際的な相互理解のために、積極的な役割を果たしていく必要があるという気運が高まりました。当時、天台宗宗議会議長であった故羽場慈温大僧正らが中心となって、まず東西文化の接点であるハワイに別院を開設することになりました。そのハワイ別院初代住職に荒了寛師が任命され、1973年11月25日に当時の比叡山延暦寺座主菅原栄海大僧正猊下御親修のもとに開院式が厳修されました。
天台宗ハワイ別院
本堂(本尊薬師如来)
その後、天台宗の教えをハワイの方々に広めその信仰を深めるために、定期的な行事、法要を行いました。別院開設当初から、薬師講、不動講などを通して信徒を集め、教団の形成発展に努め、その中核となる組織として、法持会、婦人会が組織されました。ハワイ仏教連盟に加盟し、特に、1985年のハワイ日本人官約移民百年祭には、ハワイ仏教連盟の会長として、日米仏教徒会議並びに日米仏教教学大会を企画実行し、全日本仏教会所属の日本の各宗派代表団を招いて、日米仏教文化交流展などの歴史的事業を成功させました。
薬師縁日 護摩供
1987年から、毎年8月15日にワイキキ・アラワイ運河において、「ホノルル灯篭流し」を開催、日系仏教教団はもちろんのこと、ベトナム、韓国、中国、台湾、ビルマなどの仏教との代表者も参加し、その後更にキリスト教からもカトリック、プロテスタント代表の神父、牧師らが参加して、人種、宗教、を超えた平和の祈りを捧げ、「ハワイの祈り」として多くの方々が参加するようになりました。
また、現在、天台宗勧学、天台宗北総教区泉倉寺住職、大正大学名誉教授一島正真師は、1974年6月よりハワイ別院副住職として赴任し、ハワイ大学宗教学部講師を勤める間、ハワイ別院にてハワイ大学大学院生と共に天台四教儀を英訳。その後、カリフォルニア大学バークレー校客員教授としてチベット仏教と日本仏教、特に天台教学を講義しました。日本帰国後は、密教を学ぼうとする人々のために「四度行記」の英訳に取り組み、2018年に「四度行記英訳本」合冊本を、天台宗教学振興事業団助成のもと、海外伝道事業団より発刊しました。
ハワイ別院の歩み
十一面千手観音
- 1973年
- 11月25日
- 開院式
天台座主菅原栄海大僧正猊下御親修
初代住職として荒了寛師赴任
- 12月
- パロロ観音寺(松本知晃師)天台宗寺院となる
- 1974年
- 6月
- 一島正真師副住職として赴任
天台四教儀・英訳事業
- 11月
- 開院1周年記念事業「密教展」「高僧墨蹟展」「天台文化教室展」
- 1975年
- 11月
- 開院2周年記念式典
ハワイ一隅会発足
ハワイ一隅会名誉総裁
青蓮院門跡東伏見慈洽大僧正
中尊寺貫首今東光大僧正御臨席
ハワイ一隅会ロゴ
- 1976年
- 7月
- 開院3周年記念法要
天台座主山田恵諦大僧正猊下御親修
青蓮院門跡門主東伏見慈洽大僧正御臨席
- 1978年
- 8月
- ハワイ美術院発足
- 12月
- 開院5周年記念式典
天台座主山田恵諦大僧正猊下御親修
青蓮院門跡門主東伏見慈洽大僧正御臨席
- 1980年
- 2月
- ハワイ別院機関誌ともしび発刊
- 6月
- 開院7周年記念式典
天台座主山田恵諦大僧正猊下御親修
青蓮院門跡門主東伏見慈洽大僧正御臨席
- 1981年
- 5月
- 荒住職仏画個展(ニューヨーク・サンフランシスコ・ボストン)
- 1983年
- 6月
- 日光月光菩薩開眼法要
日光輪王寺門跡門主柴田昌源大僧正御親修
- 11月
- 開院10周年記念式典
天台座主山田恵諦大僧正猊下御親修
青蓮院門跡門主東伏見慈洽大僧正御臨席
一隅会館・阿弥陀堂落慶法要
- 1985年
- 6月
- 官約移民百年祭記念行事
- 1986年
- 11月
- 採柴護摩法要(日光輪王寺一山)
- 1987年
- 8月
- 灯篭流しの開催(アラワイ運河)
- 1988年
- 11月
- 開院15周年記念式典
天台座主山田恵諦大僧正猊下御親修
- 1989年
- 11月
- 開院16周年記念式典 道心寮落慶法要
青蓮院門跡門主東伏見慈洽大僧正御親修
- 1990年
- 7月
- 第1回事業団サマーセミナー
- 1992年
- 7月
- 第3回事業団サマーセミナー 第1回駒込学園夏期合宿
- 1993年
- 11月
- 開院20周年記念式典
羽場慈温師顕彰碑
- 1995年
- 11月
- ハワイ一隅会20周年記念式典 ひろさちや氏記念講演
- 1998年
- 10月
- 「ハワイ日系米兵」出版記念式典
- 11月
- 開院25周年記念式典 福聚協会ハワイ奉詠舞大会
- 2005年
- 11月
- 開院30周年記念式典
三千院門跡門主小堀光詮大僧正御親修
瀬戸内寂聴師記念講演
- 2008年
- 11月
- 開院35周年記念式典
天台座主半田孝淳大僧正猊下御親修
玄侑宗久師記念講演
- 2009年
- 2月
- ハワイ開教35周年記念讃慶法要 天台宗寺庭婦人連合会
- 2012年
- 2月
- 荒了寛師 外務大臣表彰受賞
- 2013年
- 11月
- 開院40周年記念式典
- 2017年
- 2月
- 荒了寛師 ホノルル総領事賞受賞
荒了寛師 ハワイ本派本願寺ハワイ教団文化功労賞受賞
- 2018年
- 5月
- 荒了寛師 春の叙勲「旭日双光章」受章
- 9月
- 荒了寛師 天台特別功労賞
- 11月
- 開院45周年記念式典
- 2019年
- 1月16日
- 荒了寛師御遷化 無量金剛院大僧正了寛大和尚(世壽九十歳)
- 11月25日
- 荒了周師御遷化 智教心院権大僧都了周法尼(世壽八十六歳)
- 2020年
- 10月 1日
- 田中祥順師赴任(12/1代表役員代務者)
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ハワイ別院初代開教総長 荒了寛師 無量金剛院大僧正了寛大和尚 略歴
荒師ご夫妻遺影
- 1928年
- 10月30日
- 福島県で出生
- 1946年
- 8月22日
- 福島県長命寺にて得度授戒
- 1967年
- 3月15日
- 大正大学大学院修了
- 1973年
- 11月25日
- 初代開教総長として天台宗ハワイ別院に赴任
- 1974年
- 天台密教展開催
- 1975年
- ハワイ一隅会設立
- 1978年
- ハワイ美術院設立
- 1982年
- ハワイ学院開校(カパフル日本語学校)
- 1983年
- 阿弥陀堂・一隅文化会館建設
- 1985年
- ハワイ仏教連盟会長就任
日米仏教徒大会事務局長就任(官約移民百年祭記念)
- 1987年
- ホノルル灯籠流し開催(ワイキキ・アラワイ運河)
- 1989年
- 道心寮建設
- 2005年
- 4月21日
- 大僧正補任
- 2012年
- 2月1日
- 外務大臣表彰受賞
- 2017年
- ホノルル総領事賞
本派本願寺ハワイ教団文化功労賞受賞
- 2018年
- 5月10日
- 春の叙勲「旭日双光章」受章
- 9月14日
- 天台特別功労賞受賞
- 2019年
- 1月16日
- 遷化(世寿九十歳)
- 2019年
- 2月17日
- ハワイ州ホノルル市細井葬儀所にて本葬儀執行
- 2019年
- 3月28日
- 東叡山寛永寺転法輪殿にて追悼法要執行
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佛画展・講演
日本国内各地、ホノルル、サンフランシスコ、ボストン、ニューヨーク等にて多数開催
著書
画文法話集「生きるとはなあ」シリーズ十冊「慈しみ悲しみの仏たち-画文集」
「慈しみと悲しみ」「シルクロードの仏を描く-画文集」「人生の要領の悪い人へ」
「般若心経で救われるかー空の読み方、生き方 鼎談」「慈しみと悲しみ」
「観音さま その優しさに包まれて」「高僧に学ぶ自戒のことば108」
「金子みすゞのこころ(ことばの花束)」「高僧に学ぶ自戒の言葉」「娑婆を読む」
「自信、神なり、家事、おやじ」「アメリカ仏教の夢 」
「ハワイ日系米兵 私たちは何と戦ったのか」「日本人の目、アメリカ人の心」
「Japanese Eyes , American Heart」三分冊
他著書多数
所在地
住所:23 Jack Lane Honolulu, Hawaii 96817
電話:808-595-2556
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