天台座主猊下新年ご挨拶

比叡山宗教サミット三十周年にあたって

天台座主 森川宏映

新年明けましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして佳い年になりますよう
心より祈念申し上げます。

 第二期を迎えた祖師先徳鑽仰大法会は、昨年六月九日に「恵心僧都一千年御遠忌祥当逮夜法要」が延暦寺阿弥陀堂にて奉修され、ゆかりの浄土門各宗派による報恩法要も執り行われました。

 また八月十九日には「伝教大師御生誕一千二百五十年慶讃四箇法要」が執り行われました。まことにご同慶に堪えない次第でございます。

 更に本年は、北嶺回峰行の創始者である相応和尚様の一千百年御遠忌が奉修されます。総本山、また天台宗にとりましては実に大恩ある先徳であり、そのお徳を宗門を挙げて顕彰させていただきたく存じます。

 第一期、第二期を通じての記念事業であります根本中堂大改修につきましては、皆様のご協力により順調に勧募が進んでおりますことに、心より御礼申し上げます。

 昨年は四月の熊本大地震をはじめとする天変地異や、季節外れの台風が発生する異常気象が相次ぎました。被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、本年は祖師先徳鑽仰大法会の一環として八月三、四日に「比叡山宗教サミット三十周年記念『世界宗教者平和の祈りの集い』」が開催されます。

 昨年九月にイタリア・アッシジで開催されました「第三十回世界宗教者平和の祈りの集い」に参加した折りにフランシスコ・ローマ教皇と親しくお目にかかりました。私は親書をお渡しし、比叡山宗教サミットにご来臨を懇請いたしました。

 教皇聖下は「予定があえば、是非とも参加したい」と積極的なご意向を示されました。皆様のお力をいただき、世界に平和が一日も早く訪れんことを共々に祈りたく存じます。

 皆様のご多幸を祈念しつつ新年のご挨拶といたします。

天台座主 森川宏映

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