11年に亘る大法会が結願
-祖師方へ報恩感謝し、浄仏国土への祈り捧げる-
宗祖伝教大師一千二百年大遠忌など、11年に亘り奉修してきた祖師先徳鑽仰大法会を締めくくる総結願法要が3月16日、比叡山延暦寺で執行された。
期間中は「道心~山川草木みなほとけ~」をテーマに、全国各教区での特別授戒会、総本山等での諸行事を通じ、多くの人びとが祖師方の教えと結縁する機会が持たれた。
根本中堂では大樹孝啓天台座主猊下を大導師に四箇法要、午後からは三塔全山で同時刻に総結願奉告法要を営んだ。
祖師先徳への報恩感謝と期間の円成をご宝前に奉告し、み教えを未来へ継承することを誓った。
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しかし、平成23年に東日本大震災発生を受け、総力を挙げて救援・復興支援を進めると同時に慈覚大師御遠忌を第一期、その後を第二期と設定し報恩事業を進めた。
第二期においても令和2年より新型コロナウィルス感染症が世界中に蔓延したことを受け、当初の終了予定より期間を1年延長して対応していた。
第一期、第二期を通して発心会、結縁灌頂並びに総本山への団体参拝、写経会の推進、また第二期からは全国各教区での特別授戒会を営み、これまでに5千人以上が仏縁を得た。
さらに東京、九州、京都の国立博物館で特別展『最澄と天台宗のすべて』を開催し注目を集めた。伝教大師の大遠忌には、産学官協働による伝教大師最澄1200年魅力交流委員会を設立。次代を担う若者らが日本文化に触れる活動をサポートし、今後も継続が決まっている。
これらの各記念事業を通じ、コロナ禍で制限されながらも宗内外の多くの人びとに祖師方の教えに触れる機会を設けてきた。
そして国宝根本中堂大改修工事が令和9年12月の完成を目指して進んでおり、天台学大辞典の刊行も控えている。
-法悦に満ち溢れ-
根本中堂での総結願法要は、大樹座主猊下の大導師のもと、延暦寺一山および全国の宗務所長ら38名が出仕。
内陣で四箇法要を奉修した。
また堂内には、探題や已講などの出世役、門跡・大寺、宗機顧問、宗議会議員ら宗内諸大徳が随喜。さらに大法会期間中に携わった歴代の天台宗並びに延暦寺の役員、伝教大師最澄1200年魅力交流委員会など宗内外の関係者約200名が臨席し、期間の無事円成と祖師方へ報恩感謝を捧げた。
また午後からは大講堂(東塔)、釈迦堂(西塔)、横川中堂(横川)の三堂で、同時刻に法要を開式。それぞれの堂内で法華経を読誦し、宗祖伝教大師並びに祖師方が願われた〝浄仏国土建設〟を祈願。全山に世界平和を願った読経が響き亘った。
(阿部昌宏天台宗宗務総長の挨拶は5面に全文掲載)