報謝捧げる総結願法要 ー3月16日 根本中堂で奉修ー
天台宗が平成24年4月から奉修してきた祖師先徳鑽仰大法会の総結願法要が3月16日、総本山比叡山延暦寺で営まれる。
法要は午前に根本中堂、午後からは大講堂(東塔)、釈迦堂(西塔)、横川中堂(横川)で同時刻に開式し、これまで大法会に関わった宗内外の諸大徳並びに関係者らを多数迎え、祖師先徳のご遺徳を改めて偲び、宗祖伝教大師のみ教えを未来へ繋いでいくことを誓う。

統一テーマ「道心」、サブテーマ「山川草木みなほとけ」のもと、第一期と第二期に分けた計11年に亘り法要並びに各祖師方の宗風に沿った記念事業を通じ、報恩謝徳の精誠を捧げてきた。
また、大法会の掉尾(ちょうび)を飾る宗祖伝教大師一千二百年大遠忌に向けては、産学官協働による伝教大
師最澄1200年魅力交流委員会を設立。
次代を担う若者らが日本文化に直に触れる活動をサポートし、宗祖大師が目指された人材育成の現代版として社会から注目を集めており、活動継続が決まっている。
-午後からは三塔で法要も-
総結願法要は、祖師先徳の遺徳を改めて偲び、み教えを未来に繋ぐ機会とする。午前中は根本中堂で、午前10時半より大樹孝啓天台座主猊下を大導師に総結願奉告法要を四箇法要で営む。
全国30教区の宗務所長が出仕し、大法会顧問の探題・已講などの出世役の方々や宗機顧問、宗議会議員、またこれまで大法会に携わってきた宗内外の関係者ら約200人が随喜して円成への感謝を示す。
また午後からは、比叡山三塔にある各道場で法要を営む。
大講堂(東塔)は布教師会、釈迦堂(西塔)は宗議会議員、横川中堂(横川)は天台仏教青年連盟がそれぞれ出仕し、午後2時から一斉に法要を奉修する。
-法華一乗の社会へ-
総結願法要に向け阿部昌宏宗務総長は次のように話す。
「長期におよぶ祖師先徳鑽仰大法会期間中には、東日本大震災の影響や地球温暖化に起因する自然災害、またコロナウィルス感染症のまん延による非日常の生活、戦争や紛争に起因する人道問題などの憂慮すべき問題が多発しました。
また高齢化や地方過疎化などによる社会基盤の変貌、核家族化や個人中心による信仰形態の多様化など、昨今の宗教界を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。
深い懊悩(おうのう)に沈む現代世相の閉塞感を打破するために、我々が宝とすべきは『道心』であり、その究竟(くきょう)の有り様は『忘己利他』の実践に他なりません。
今こそ速やかに祖意を恢弘(かいこう)して大乗無作の教風を興し、不滅の法燈に願いを込めて『我が志を述べよ』と遺託された法華一乗の社会、つまり人間のみならず自然も地球環境も『生きとし生けるもの』すべてが、安定と調和を保持し、平和と安寧を享受する社会づくり、すなわち仏国土建設に努めたく存じます」