東国巡錫に思いを馳せて 群馬教区
群馬教区(三浦祐俊宗務所長)は10月4日、比叡山延暦寺根本中堂で伝教大師一千二百年大遠忌報恩法要を奉修した。報恩感謝を捧げ、群馬県が東国巡錫の地であることを広く周知し、後世に御事蹟を伝える決意を宝前で誓った。

群馬教区では、2020年10月、檀信徒含め約240人規模の延暦寺での大遠忌法要を予定したがコロナ禍により延期。翌年も7月に計画したが感染者数増加により断念せざるを得ず、実に2年越しに法要を実現させた。
法要は、感染防止の観点から出仕僧侶と随喜者は伝道師のみとした計40人が参加。天台宗と延暦寺の役員出席のもと、午後2時半に導師の三浦宗務所長と出仕僧らが延暦寺会館から根本中堂まで練り歩いて入堂。伝教大師和讃を参列者全員で唱え宗祖のご遺徳を偲んだ。
法要後には、根本中堂内陣荘厳費を水尾寂芳延暦寺執行に贈呈した。
阿部昌宏天台宗宗務総長は「21世紀は心の時代と言われる。一人ひとりが生まれながらに持つ仏性に目覚め、いのちの大切さに気付き、他の幸せを願う心が沸き起これば自他共々に真に安らかな光に包まれる。“忘己利他”、“一隅を照らす”の旗印を高く掲げ、生きとし生けるものすべてが安寧と調和を保ち、平和と安寧を享受する法華一乗の社会、浄仏国土建設の実現に向け共に邁進してまいりたい」と呼び掛けた。また水尾延暦寺執行は「宗祖への報恩、恩返しとして与えられた一隅は何なのか、何を次の世代に引き継ぐのか今一度考えたい。群馬教区の率先垂範の行動に期待申し上げます」と感謝を述べた。
三浦宗務所長は「心を新たに、お大師様のご遺徳を偲び、報恩感謝の心を込めて日々を過ごしてもらいたい。そして、お大師様は群馬に来られましたよ、淨法寺様には大きなお大師様がいらっしゃいますよ、と全国津々浦々まで広く伝えて参りたい」と感無量の様子で挨拶した。
なお10月3日から5日にかけて第47回伝道師補任祖山研修会も実施した。