新会長に叡南覺範探題大僧正【一隅を照らす運動理事会】
一隅を照らす運動総本部(竹内純照総本部長)は2月2日に開催した令和3年度第2回「一隅を照らす運動」理事会で、新会長に叡南覺範探題大僧正(延暦寺一山建立院住職)の就任を全会一致で決めた。
昨年11月に大樹孝啓前会長が天台座主にご上任され、同運動総裁に就任されたことに伴う後任人事。叡南新会長は「みなさんのお力をいただいて勤めを果たしたい」と抱負を述べられた。

令和4年度の事業計画については、運動が掲げる「生命」「奉仕」「共生」の実践3つの柱を中心に、支部活動の活性化や教区本部・支部・総本部の連帯強化と拡充、更に一般の人びとへの認知度が上がるような方策を講じることを基本方針としている。広報宣伝や研修会等の実施、支部活動推進の支援などを行うことが確認された。
竹内総本部長は、「従来行ってきた活動などをSDGsを切り口として活性化し、支部それぞれが取り組みやすいように、また檀信徒が参加しやすいように努めたい。写経会の開催なども含めた支部活動の活性化が重要なので、それらを支援していきたい。動画などを使って発信力を高めていきたい」などと説明を加え、理事らに理解を求めた。地球救援事業についても、全国一斉托鉢はじめ、コロナ禍での海外交流、従来からの各種活動支援を継続することが了承された。
―行動こそ大きな力に―
理事会の最後に、叡南新会長から、総本部が行う様々な支援についての経緯や願いなどが詳細に語られた。
タイのプラティープ財団には、就学支援や日本とタイの高校生らによる海外交流などが行われており、30年に亘って交流が続いている。当初を知る叡南会長は「設立者のプラティープさんの活動は、人材育成に心血を注がれた伝教大師の御心と同じだと共感し、比叡の大護摩の浄財から当時5百万円の寄付を決めた」と振り返った。
そして、タイを訪問し直接寄付金を手渡したことを回顧し、「現地に触れて行動を起こすことが大事」と教示。同様にインドのパンニャメッタ協会への支援の経緯も紹介し、「世界に目を向け、伝教大師の『忘己利他』『一隅を照らす』を心に留めて行動に移れば大きな力になる」と助言した。また各地方で活動する住職や副住職らへの支援も重要との認識を示し「各個人で努力し実績ある人びとを表に出すことが必要」と述べ、運動の更なる展開へ期待を寄せた。