慈愛の心で助け合い――全国一斉托鉢を実施
天台宗では「伝教大師のご精神を現代に生かそう」と、毎年12月1日に全国一斉托鉢を実施しており、昨年も同日に行われた。この日を含め、全国各地の托鉢で寄せられた浄財は、一隅を照らす運動総本部の地球救援募金などを通じて、国内外の福祉活動等に活用される。

今では「師走の風物詩」として定着しており、全国各地で数多くの心が込められた浄財が寄せられている。
比叡山坂本地区で1日に実施された托鉢には、水尾寂芳延暦寺執行はじめ、天台宗と延暦寺の役職員、延暦寺一山住職など約100名が参加。宗祖伝教大師生誕の地・生源寺で法楽を修した後、水尾執行が「人びとの幸せとコロナ感染症の不安解消を祈って、丁寧にお勤めしましょう」と呼び掛けて出発した。坂本地区の家々の戸口で読経しつつ行脚し、浄財の寄進を受けた。
感染症対策を取りながらの戸別托鉢の他、駅頭ではJR比叡山坂本と京阪坂本比叡山口のみで実施した。
この日の托鉢で寄せられた浄財は、NHK歳末たすけあい運動並びに海外たすけあい運動へ。その他の全国で実施された托鉢の浄財も、各地の社会福祉協議会や日本赤十字社、新聞各社、福祉施設などに寄託された。