――青少年らに平和への思い繋げる――
比叡山宗教サミット34周年「世界平和祈りの集い」
比叡山宗教サミット34周年「世界平和祈りの集い」が8月4日、比叡山延暦寺一隅会館前広場で開催された。新型コロナウイルスへの感染対策として日本各地の宗教者と初めてオンラインを活用して結び、世界平和と“コロナ禍”の早期終息を祈念した。式典の模様は、動画配信サイト「ユーチューブ」を通じて中継した。

式典は15時10分から阿部昌宏宗務総長の挨拶で開式。ステージ中央には大型ビジョンが設置され、左右のバックパネルには駒込高等学校と比叡山中学校の約400名の生徒らが平和への思いをしたためた色紙が奉納掲示された。
森川宏映天台座主猊下は「今こそ、私ども宗教者は対話による相互理解を深め、『博愛』『利他』の精神に基づく連帯をより強固にし、共に祈り世界平和を希求し続けなくてはなりません」と〝お言葉”で呼びかけられた。
続いてステージには森川天台座主猊下と東伏見具子全日本仏教会副会長が登壇。大型ビジョンに、ローマ教皇庁駐日特命全権大使のレオ・ボッカルディ師ら8名の諸宗教代表者が映し出され、「世界平和の鐘」の鐘打に合わせて1分間の黙祷が捧げられた。
ローマ教皇庁諸宗教対話評議会のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット議長からは「祈りとは最も偉大な道具であり、この比叡山にて永く続く集いは、特に祈りが力強い瞬間である」とし、世界仏教徒連盟のパン・ワナメティー会長からも「この世界平和祈りの集いは、人類を平和的に団結させる仏法の力を示している」と期待が寄せられた。
また、「平和への思い」と題した作文を比叡山高校3年の北脇賀凡(かほ)さん、オンラインで金光学園高校3年(岡山県)の兒山恵和(こやまけいわ)さんが朗読。その思いを受け、宗教者を代表し田中恆清神社本庁総長が将来への取り組みを約束する言葉を若者らに贈った。
最後は、水尾寂芳延暦寺執行が平和への祈りと歩みを続けることを誓い明年35周年を迎えることを紹介し閉会した。
なお、駒込高校の生徒らがミニ色紙に1人1文字ずつ書いて奉納した般若心経の展示や、比叡山高校の生徒らも共に「世界平和の鐘」を撞(つ)くなど、青少年たちにも参画してもらった。