宗祖伝教大師一千二百年大遠忌御祥当法要
十年間に亘る祖師先徳鑽仰大法会の掉尾(ちょうび)を飾る宗祖伝教大師一千二百年大遠忌御祥当法要が6月3日~5日、比叡山延暦寺大講堂において厳かに執り行われた。コロナ禍による感染防止対策として出仕や随喜者数を制限したが、法要の模様は3日間ともに初のインターネットを通じた全国中継を実施。連日の法要では伝教大師の遺徳を偲ぶ「伝教大師和讃」が唱えられ、宗祖への報恩謝徳が示された。

当初は、3日に教宗派の代表者、大乗連盟、伝教大師連盟の方々による随喜、4日は宗務所長の出仕と宗機顧問、門跡大寺、法灯護持会、魅力交流委員の参列。そして5日は一般参拝者にも開放する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から内容を一部変更して営み、当初から決まっていたインターネットによるライブ配信を通じて各寺院や自宅からの随喜を事前に呼びかけていた。
祥当日前日の3日は、森川宏映天台座主猊下を大導師に、延暦寺一山住職が出仕。内陣須弥壇(しゅみだん)中央に奉安された伝教大師御影に、功績を讃えた祭文が朗々と奉じられた。
ご命日の4日は、午前中に御廟の浄土院で論義法要「長講会」が執り行われ、午後から祥当法要を厳修。根本中堂から分灯された不滅の法灯を先頭に出仕僧らが入堂し、大導師の森川天台座主猊下が法則(ほっそく)で伝教大師に報謝を捧げられた。
最終日となる5日の御祥当後法要は、大樹孝啓探題大僧正を大阿闍梨に天台宗・延暦寺両内局員、延暦寺一山住職の出仕で勤められ、宗祖への恩徳が示された。
4日の祥当法要で挨拶した阿部昌宏宗務総長は「人々を救済するために、最澄さまは私たち、そして皆さまの側(そば)におられます。共に正しい修行に努(つと)め、自らの心の中の仏性を磨きましょう」と、すべての人びとに呼びかけた。