特別展「最澄と天台宗のすべて」 ――いよいよ今秋から開催――
伝教大師一千二百年大遠忌記念として今秋から開催される特別展「最澄と天台宗のすべて」の報道発表会が4月15日、東京国立博物館で開かれ、阿部昌宏宗務総長、水尾寂芳延暦寺執行が出席し「伝教大師のご精神に触れてほしい」と魅力を伝えた。

日本天台宗の歴史を通覧し、各会場ともに地域性にも重点を置いた特色ある展示となる予定。展示会場内に総本堂「根本中堂」内を一部再現し、法華一乗の精神が体感できるよう工夫するほか、特別御朱印の授与、また音声ガイドナビゲーターは歌舞伎俳優の市川猿之助さんが務めることが決まっている。
報道発表会には、新聞や雑誌を中心に26媒体44名、オンラインでも全国から約40名の報道関係者らが参加。特別展への関心の高さを窺わせた。
――精神に触れ人生の糧に――
主催者を代表して挨拶した祖師先徳鑽仰大法会事務局局長の阿部宗務総長は「東京会場では延暦寺における日本天台宗の開宗から東叡山寛永寺の江戸時代に至るまでの歴史を辿り、延暦寺はじめ全国各地寺院所蔵の仏像や仏画、経文などを紹介する。新型コロナウイルス感染症の収束への兆しが見えず生活への不安を感じる日々だが、万全な感染対策を講じ開催する。出品作品を通して伝教大師最澄さまのご精神(一隅を照らす)に触れて、ご観覧いただいた方々の今後の人生の糧になれば幸いです」と述べた。
また大法会奉行の水尾延暦寺執行からは「比叡山の仏教は多くの学部を具えた総合大学にたとえられる。法華経、密教、禅、菩薩戒、浄土教、これらそれぞれ価値を認められ共存している。日本人の思想にも確かにこの様な違いを認めあう面があるのではないかと思う。今回は、単に御覧いただくだけでなく、拝観参拝のご縁を結んでいただけるよう御朱印を用意し会場で僧侶が対応する。心に留められた仏さまとのご縁を確かめていただけるものと思います」とアピールした。