第148回通常宗議会
――大遠忌関連事業は中止へ 令和3年度予算を可決――
第148回通常宗議会が3月9日、10日の会期2日間で開催され、令和3年度予算11億3378万円を含む議案15件、報告3件を可決決定した。また、新型コロナウイルス感染拡大防止から、伝教大師一千二百年大遠忌の関連法要である教区法要と各教宗派法要の中止と、「不滅の法灯全国行脚」を凍結することが阿部昌宏宗務総長から報告された。

そして、伝教大師一千二百年大遠忌御祥当を迎え「宗教者として神仏に祈りを捧げ、人びとに寄り添う行動が必要。『己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり』の御精神を体し、心を一つにして宗祖大師へ報恩の真を捧げ、皆様と共に“明日の天台宗”を目指して歩みたい」と述べられた。
令和3年度通常会計歳入歳出予算は、歳入歳出ともに11億3378万円。歳入は令和2年度補正前の当初金額と同額の寺院教会納金で計上、歳出については節約をできるところは精査減額し、業務が年度内に執行可能であることを前提に最小限の増額に留めた。
阿部宗務総長は「ワクチン接種による感染拡大収束への明るい希望の中、令和3年度内に徐々に本来の業務が再開されることを想定した予算編成」と述べ理解を求めた。なお、コロナ禍での宗務運営を踏まえ、臨時部にテレビ会議推進準備費を新たに計上して対応する。
――法要模様はウェブで配信――
祖師先徳鑽仰大法会関係については、伝教大師一千二百年大遠忌の関連法要として1年延期していた檀信徒を交えての教区法要、並びに令和3年10月から予定の教宗派法要の中止が発表された。
法要道場での感染予防対策を講じても、団体参拝道中での行動面での安全保障が困難であるとの理由から「苦渋の決断」(阿部宗務総長)に至った。ただ、今後の動向を注視しながら、大法会最終年度となる令和4年4月1日より令和5年3月末の間に義務化しない形で教区宗徒有志による法要の計画を促す。
また令和3年4月からの再開を準備していた「不滅の法灯全国行脚」は凍結する。大遠忌機運醸成と伝教大師の魅力発信が主眼だけに、「コロナ禍での行事としての目的達成には至らない」と判断した。