天台宗全国一斉托鉢を実施
「師走の風物詩 」として知られる天台宗の全国一斉托鉢が12月1日に実施された。「宗祖伝教大師の御精神を現代に生かそう」と、昭和61年に始められてから今年で35回を数える。この日を含め、全国各地で行われる托鉢に寄せられた浄財は、一隅を照らす運動総本部の地球救援事務局などを通じて、国内外の福祉活動への支援に充てられる。

同日の大津市坂本界隈で実施された托鉢行脚には、森川宏映天台座主猊下はじめ、水尾寂芳延暦寺執行、比叡山延暦寺の僧侶や職員、また延暦寺一山住職らが参加。宗祖伝教大師ご誕生の地、生源寺で森川座主猊下の導師で法楽を営んだ。
水尾延暦寺執行は「声は通常より下げても、新型コロナウイルス感染症の早期収束への祈りの気持ちを込めてしっかりと勤めたい」と述べ、森川座主猊下を先頭に出発。里道にある家々の戸口で読経して廻られ、浄財の寄進を受けられた。
なお今回は、手指の消毒や密を避けた新型コロナウイルス感染症への感染対策を十分に講じながら戸別托鉢のみ実施した。天台宗務庁職員が担当する周辺主要駅での街頭托鉢は中止された。