11月16日、阿部新内局発足 ―和合と本末一如の精神で―
杜多道雄宗務総長の辞任に伴う宗務総長選挙の選挙会が11月16日に行われ、阿部昌宏・九州東教区觀音院住職が選出された。阿部師以外に候補者はなく、無投票当選となった。17日には天台宗務庁議場で宗務総長・参務任命式が挙行され、森川宏映天台座主猊下より阿部新宗務総長と6人の新参務に辞令が親授された。任期は令和6年(2024)11月16日までの4年間。

令和3年3月の任期満了を待たずにした辞任について杜多宗務総長は、「次年度予算編成や宗祖伝教大師一千二百年大遠忌を控え、次期内局の宗務運営に支障が及ばないよう配慮した」と述べた。
任命式は午前10時から宗務庁議場で営まれ、延暦寺内局随喜のもと森川座主猊下を大導師に法楽を厳修。続いて阿部新宗務総長、参務6人に辞令が親授された。
森川座主猊下は「明年には伝教大師一千二百年大遠忌を迎える。天台宗をまとめ、世の中をリードし、伝教大師のみ教えが多くの方々から信仰されるよう願いたい」と、阿部内局へ期待感を示された。
阿部新宗務総長は、任命式後の記者会見で、「これまでの参務執務経験を活かし、全国3千カ寺、宗徒、檀信徒、一般社会の人びとの輿望に応えるべく、宗祖大師のみ教えをもとに、本末一如、本山護持、そして和合で宗門発展のために不惜身命、全力を傾注し職務に当たる所存」と決意を述べた。