「天皇陛下御即位奉祝法要」を奉修-11月5日、比叡山延暦寺大講堂にて-
桓武天皇陵の参拝、一隅を照らす運動50周年記念式典も
天皇陛下が国内外に御即位を宣明される「即位礼正殿の儀」に10月22日臨まれることから、天台宗では11月5日に「天皇陛下御即位奉祝法要」を森川宏映天台座主猊下を大導師に、比叡山延暦寺大講堂で奉修する。また同日は、桓武天皇陵への参拝、一隅を照らす運動発足50周年記念式典も行われる。

宗祖伝教大師最澄さまは、より深く天台教学を学びたいと桓武天皇に願い出られた後に入唐求法され、多くの経典や法具を携えて帰国。『法華経』に基づいた「すべての人が仏に成れる」という天台の教えを日本に弘めるため、天台法華宗の設立許可を願い出て、延暦25年(806)1月26日に年分度者2名認可の官符が発せられた。天台宗では、この日を開宗記念日としている。
時の桓武天皇は、平安京遷都と東北地方平定に伴い日本全土を統一し、平和な世作りを目指していた。国や人びとを救済する菩薩僧の育成に尽力された伝教大師の御誓願は、桓武天皇にとって新時代を築く支柱であったとされる。天台宗が「桓武天皇御願の宗」とも言われる由縁である。このように皇室と深い御縁で結ばれてきた経緯から、杜多内局は奉祝法要の奉修を発願した。
また、伝教大師のご精神を現代に活かすために始められた「一隅を照らす運動」が50周年を迎える。それを機に、令和の新時代へ運動理念を再確認し、今後につなげていきたいと考えている。
11月5日は、天台宗内局、宗議会、宗務所長会の代表者らが京都市伏見区の桓武天皇陵を参拝し法楽を捧げる。その後、11時より延暦寺大講堂で、森川宏映座主猊下を大導師に、奉祝法要を厳修する。
宗議会と宗務所長会の代表者らが出仕予定で、宗と延暦寺内局員、宗内諸大徳らが随喜し、雅楽と奉祝舞で天皇陛下の御即位を祝す。
また午後からは、一隅を照らす運動発足50周年記念式典があり、運動の更なる発展を決意し、次の50年、百年へと続く時代の幕開けを告げる。
法要に向けて杜多宗務総長は「令和の新時代を迎えたが、今なお人の命が簡単に奪われるなど殺伐としている。『生命』、『共生』、『奉仕』という実践目標を掲げている一隅を照らす運動は、いまだからこそ国を救う、精神的支柱になりえるだろう。それを我々自身も再確認する意義が、この法要にあると思う。新しい天皇陛下のもとで、我が国が伝教大師の浄仏国土建設の御誓願が実現されるような世の中にするために、我々も、天台宗の教えを再確認し、新たな活動へのきっかけにしたい。『もし伝教大師が今おられたら、この世の中をどうご覧になられるだろう』と考えながら、布教や行動へ繋げる機会にできれば」と願いを語っている。