「伝教大師最澄1200年魅力交流委員会」
6月11日 延暦寺で記者会見
宗祖大師の御教えを通して日本文化に新たな息吹を
伝教大師一千二百年大遠忌を2021年に迎えるにあたり、去る5月24日に「伝教大師最澄1200年魅力交流委員会」が設立され、その概要についての記者会見が6月11日、比叡山延暦寺書院において行われた。メディアからは33媒体、46名が出席し、関心の高さがうかがえた。同委員会は、地元の滋賀、京都の自治体、財界、大学などの委員によって構成される。比叡山法灯護持会会長の鳥井信吾・サントリーホールディングス株式会社副会長が委員長に、加藤好文・京阪ホールディングス株式会社社長(当時)と三日月大造滋賀県知事が副委員長に就任、幹事を祖師先徳鑽仰大法会事務局の杜多道雄局長(天台宗宗務総長)と小堀光實奉行(延暦寺執行)が務める。

記者会見では、幹事の杜多宗務総長がこれまでの取り組みの経緯と趣旨説明を行い「一隅を照らす人材の育成に心血を注がされた宗祖大師のご精神を現代に活かし敷衍(ふえん)する責務を我々は負っている。伝教大師の業績を日本文化の中に位置づけ、その人となり、素晴らしさを多くの人々に受け止めていただくためにこの魅力交流委員会を立ち上げた。日本社会における精神的バックボーンとなることを確信している」と委員会設立の意義を強調した。
鳥井委員長は「宗教の垣根を超えて日本文化の魅力を発信したいとの意を受け、委員長をお受けした。伝教大師最澄を通じて日本文化の再発見をし、その魅力を弘めていきたい」と抱負を語った。また、加藤副委員長、小堀光實幹事、委員の千宗屋・武者小路千家第5代家元後嗣からも今後の方向性などについて発言があった。
学生も参画
記者会見では取り組みの一つとして「大学コラボプロジェクト」が紹介された。大学生たちが中心となり、大学生の視点や発想を活かした企画、アイデアを出し「魅力交流」の具現化を図るもの。会見では、学生達も出席し、様々な取り組みの企画を説明した。
推進のスケジュールとしては一千二百年大遠忌を迎える2021年までの約2年半の間で様々な取り組みを行う予定。2019年度は、土台を形成する期間とするが、「大学コラボプロジェクト」を始動し若い世代が考え、実践するプログラムを開発するとしている。
2020年度は、メイン期間とし企業や団体と若い世代が協働、日本の文化・歴史、寺社仏閣への興味を喚起させるプログラムの開発・実施をするとしている。
最後の2021年度には、大遠忌を機に、滋賀や京都への誘客を強化し、比叡山延暦寺で開催予定の「シンボルプログラム」と連動したプログラムを開催する予定。