座主猊下を大導師に犠牲者回向法要を厳修 東日本大震災
犠牲者の回向と一日も早い復興を願って
死者行方不明者が1万8000人を越え、大きな被害をもたらした東日本大震災から8年が経った。今なお5万1178人が避難生活を余儀なくされ、福島では原発事故による避難者は3万2600人にものぼる。

これらの対応として、第144回宗議会で杜多道雄宗務総長が、大震災などの被災者の心のケアも含め「臨床宗教師や臨床仏教師養成の環境作りを心がけたい」と述べ、被災者への宗教的ケアに取り組む意向を明らかにしている。
こうした状況の中、今年も3月11日、比叡山延暦寺や被災地各地で慰霊法要が営まれ、犠牲者の回向と被災地の一日も早い復興を祈願した。
延暦寺阿弥陀堂では、午後2時半から森川宏映座主猊下を大導師に犠牲者慰霊回向法要を厳修。延暦寺一山僧侶出仕のもと、天台宗からは林光俊社会部長、森田源真教学部長、森定慈仁一隅を照らす運動総本部長が参列。また参拝に訪れていた参列者らが黙祷と焼香、発生時刻の2時46分には梵鐘が撞かれ犠牲者の冥福を祈った。(写真)
陸奥教区中尊寺では、午前10時半から陸前高田市の小友町茗荷地区にある「小友地蔵尊」で山田俊和貫首を大導師に回向法要を営み、大阪など遠方からも参列者を得て供養した。
小友地蔵尊では、月命日に必ず法要を営んでいる。
また午後2時からは中尊寺本堂でお勤めし、2年前に建立された慰霊碑前でお参りした後、発生時刻に合わせて大鐘が撞かれ参列者全員で犠牲者を追悼した。