エルサレムで世界平和祈願
弟子ら、葉上師の足跡を辿って
イスラエルの都市エルサレムのスコープス山で6月13日、天台宗僧侶ら有志が世界平和を祈願する法要を執り行った。同法要は、天台宗の高僧として知られる「葉上照澄大阿闍梨の足跡を辿る」行事の一環として行われたもの。代表の横山照泰護心院住職(延暦寺一山)は、法要で「この地において有志の善侶、清衆相集い謹んで世界平和への誠の祈りを捧げる」と表白を奏上した。エルサレムで天台宗僧侶が平和祈願法要を厳修するのは初めて。

エルサレムはキリスト教、イスラーム、ユダヤ教の聖地であり、それゆえに多種多様な人種、民族が交差し、紛争が残る地である。
横山住職は法要で「平和を願う心は国、人種、宗教を超越するものと信ずる。光は影を忘れてはならない。平和を実現しようとして大地に散った幾多の御霊の影があることを忘れてはならない。我らは兄弟の悲壮な最期を忘れることなく、この地上に誠の平和を実現する義務があることを改めて痛感する者である。その実現に向けて各々成すべきを成しゆくことこそ、兄弟の霊を慰める最善の道と確信する」(表白・要旨)と述べた。
期間中、一行はイスラエルの宗教指導者らと会談。精力的に世界平和について意見交換を行った。
横山住職から葉上師の功績について説明を受けた各宗教指導者は一様に「そのように優れた日本の宗教者が存命であれば是非お会いしたかった」との感想を述べた。
12日には、イエス・キリストゆかりの地であるガリラヤで葉上大阿闍梨を記念した植樹が行われた。