広島で「戦歿者慰霊・世界平和の祈り」法要営む
開宗一千二百年慶讃大法会の記念事業として行われた三県(広島・鹿児島・沖縄)特別布教の一環として、平成17年に広島で「戦歿者慰霊・世界平和の祈り」法要が営まれた。本年も、去る7月14日に第12回目となる同法要が厳修され、広島平和記念公園・原爆供養塔の霊前において、犠牲者の追悼と不戦の誓いを捧げた。今回の法要には、三教区有志住職および岡山教区第2部の檀信徒約120名が参列、ともに先の大戦戦歿者への慰霊と世界の恒久平和を祈った。

特に本年は、現職の米国大統領として初めてオバマ大統領が広島の地を訪れ、原爆犠牲者の慰霊をするとともに、核兵器廃絶への思いを明らかにし、原爆の悲惨さと平和を希求する思いを世界に訴えた象徴的な年となった。
法要は午後1時45分より、永宗幸信岡山教区宗務所長を導師に、三教区有志住職らを式衆に、厳かに執り行われた。同法要には、小堀光實延暦寺執行、水尾寂芳延暦寺副執行、横山照泰一隅を照らす運動総本部長、葉上観行宗議会議員、永合韶俊宗議会議員、木村俊雅四国教区宗務所長らが来賓として参列した。
法要を終えるに当たって、小堀延暦寺執行及び葉上宗議会議員が、原爆犠牲者への回向と、世界平和を希求するこの法要を絶やすことなく続けていくことの意義を強調する挨拶を述べた。また、今法要では、原爆投下時に焦土と化した地で水を求め、苦しみのうちに亡くなった多くの犠牲者のために、比叡山で汲まれた霊水が法要祭壇に捧げられた。
導師をつとめた永宗岡山教区宗務所長は「今回は、岡山教区第2部の檀信徒、寺院住職の方々の参列を頂き、一緒に慰霊と平和への祈りを捧げることができた。今後もこの法要は継続していきたい」と振り返った。