天台座主傳燈相乗式を厳かに奉修
森川猊下第二百五十七世の法燈をご継承になる
昨年12月14日に第二百五十七世天台座主に上任された森川宏映大僧正の「天台座主」が、去る5月11日、比叡山延暦寺根本中堂において厳かに執り行われた。森川座主猊下は、ご本尊薬師如来ご宝前において傳燈相承譜にご署名になり、宗祖伝教大師より連綿と伝わってきた法燈を継承された。同日午後には、京都市内のホテルにおいて、傳燈相承披露の集いが開催され、宗教界始め、政財界など各界から約750名の来賓が出席、森川座主猊下の法燈継承を祝った。

根本中堂に入られた森川座主猊下は、登壇・焼香の後、荘厳なが堂内に響き渡る中、傳燈相承譜にご記帳された。(写真・上)
これにより天台宗と延暦寺は第二百五十七世天台座主猊下を中心に新しい歴史を歩み始めることとなった。
傳燈相承譜は、第一世天台座主義真和尚から第二百五十六世半田孝淳前座主までの歴代座主が就任の証しとして署名されている「座主血脈譜」である。なお、宗祖伝教大師ご真影前に供えられた八舌の鍵、勅封の鍵、五鈷、鉄散杖、一字金輪秘仏、といった宗祖ゆかりの秘法具や大乗戒伝授に欠かせない仏舎利も伝承され、ここに名実ともに法燈の継承がなされた。
古式に則り滞りなく儀式を修された森川座主猊下は、天台座主として宗徒に「諭示」を発せられた。(「諭示」は3
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この後、天台宗を代表して木ノ下寂俊宗務総長が法燈継承を祝し「時あたかも天台宗は、祖師先徳鑽仰大法会の聖諱を迎え、宗を挙げて『一隅を照らす』道心を全国に浸透させようと致しております。このような重大なに当たり、森川座主猊下のご教導を賜りまして大法会を執行できますこと真に無上の喜びであり、宗徒を代表致しまして衷心より感謝申し上げる次第で御座います」と挨拶、傳燈相承式は滞りなく執り行われた。