広島で戦歿者慰霊法要を厳修
天台宗では、「世界平和祈りの集い」など、一日も早い世界平和の実現に向けて、様々な取り組みを行ってきた。開宗一千二百年慶讃大法会の記念事業として、三県(広島、鹿児島、沖縄)特別布教が行われた。その一環として、平成十七年に広島で『戦歿者慰霊・世界平和の祈り』法要が執り行われた。同法要は今年で11年目を迎え、去る7月14日に厳修された。特に本年は、戦後70年の記念すべき法要となり、戦争犠牲者の霊前にあらためて不戦の誓いを捧げた。

本年は、戦後70年の節目の年であり、岡山、山陰、四国の三教区と天台宗並びに比叡山延暦寺主催の『終戦七十年天台宗広島平和祈念法要』として執り行われた。
同日は、午後1時30分過ぎより木ノ下寂俊天台宗宗務総長を導師に、小堀光實延暦寺執行、中村彰恵宗議会副議長、大西栄光四国教区宗務所長、角本尚雄天台宗参務、田中祥順天台宗参務、見上知正山陰教区宗務所長、横山照泰天台宗参務、水尾寂芳延暦寺副執行、葉上観行宗議会議員、永合韶俊宗議会議員、永宗幸信岡山教区宗務所長ならびに、三教区の有志住職を式衆に、法要が厳かに執り行われた。(写真上)
なお来賓として、木山徳和広島市議会議員、各教区檀信徒らが参列した。
法要を始めるに当たり、比叡山延暦寺親善大使であり、被爆地広島県出身のシンガーソングライター・森友嵐士氏が、献歌。森友氏は、国歌を朗々と歌い上げ、戦争犠牲者の御霊に捧げた。(写真下)
また、天台保育連盟所属の幼稚園・保育園児らによって書かれた「平和メッセージ」600通も奉納された。
法要厳修の後、木ノ下宗務総長は「戦後70年の節目の年に、広島の地で犠牲となられた数多くの方々の慰霊を行うことが出来た。過去の悲惨な体験を忘れず、犠牲者の鎮魂と真の平和を確立するため、今後もこの慰霊と平和希求の法要を続けることが大切である」と挨拶を行った。また主催教区を代表して大西四国教区宗務所長も「この小さな法要が平和を願う大きな祈りとなるよう、今後も行っていきたい」と述べた。