宗門担う人材育成の一環に
叡山学院生がタイ・スタディーツアーに初参加
一隅を照らす運動総本部
天台宗一隅を照らす運動総本部(荒樋勝善総本部長)と叡山学院(坂本廣博院長)は、3月11日から15日までタイで「一隅を照らす運動スタディーツアー」を初めて実施した。
参加した学院生5名は、スラム視察や共同生活を送る子どもたちとの触れあいを通し、同運動への理解を深めた。
宗門関係学校の高校生らを対象としたツアーは毎年開催してきたが、叡山学院生が参加するのは初めて。アジアの貧困地域の現状と課題に直接触れる機会を設ける当初の目的に加え、天台宗の将来を担う学生らに一隅を照らす運動への理解と、その実践者になってもらおうと企画された。
5名の学生に加え荒樋総本部長と総本部職員の7名は、バンコク到着後の12日、ドゥアン・プラティープ財団本部を訪問。創設者のプラティープ・ウンソンタム・秦女史と秦辰也氏と面会した。
同財団は、「スラムの改善は教育から」を信念にプラティープ女史が1978年に受賞した「マグサイサイ賞」の賞金を投じて設立した団体で、教育、健康、社会福祉、人材育成、緊急支援を5本柱に活動している。
教育の機会に恵まれなかったり、薬物依存のスラムや農村部の子どもたちを支援する男女2校の「生き直しの学校」を運営している。
参加者らは、財団についての説明を受けたあと、隣接するバンコク最大級のスラム街、クロントイ・スラムを徒歩で視察し、厳しい生活環境などを目の当たりにした。
続いて3歳から19歳の女の子が共同で生活する「生き直しの学校」カンチャナブリ校を訪問。寝食を共にしながら、サッカーやダンス、腕輪やクラトンと呼ばれる灯籠作りなどの作業を通して交流した。
財団本部訪問に併せてワット・サパーンを参拝し、東日本大震災とスマトラ島沖地震による物故者への慰霊法要を日本式で奉修し、さらに両国僧侶で平和を祈願した。
参加学生からは「日本はモノが溢れて便利だが、孤立しているのでは」、「IT機器から離れた生活は充実していた」など、感銘を受けた意見が多かった。
引率した荒樋総本部長は「現地を訪問したことで、新たな気づきを得たとの感想があった。今回の経験を糧に、積極的な人材に育ってほしい」と期待を寄せている。
総本部では、今後大正大学や天台宗内の学生らの参加を呼びかけたいと考えている。

