「御拝堂」で比叡の神仏に上任をご奉告
「傳燈相承式」を6月10日に奉修
藤光賢天台座主猊下は、歴代の座主名を刻む傳燈相承譜へご署名をされる天台宗最高の慶事である「傳燈相承式」に臨まれる。
これを前に5月2日に、古式に則り、比叡山全山を巡拝し諸仏諸菩薩諸天善神に座主上任を奉告する「御拝堂」が執り行われた。
また、皇居、京都御所、聖徳太子御廟など各所をご参拝され、一連の行事を終えられた。

御拝堂当日は、法雨が降り注ぐ中、藤座主猊下は、天台宗と延暦寺の両役員を伴われ、午前9時半に一隅を照らす会館を出立し、根本中堂内陣に入堂された。そして、ご本尊薬師如来ご宝前に、仏法の興隆など、職責に精進する旨を法則に込めて誓われた。
続いて大講堂、前唐院、戒壇院、阿弥陀堂、東塔での参拝を終えられた。随身時代を過ごされた無動寺明王堂では、千日回峰行者の叡南浩元大阿闍梨らの出迎えを受けられた。
藤座主猊下の祈りが神仏に届いたのか午後からは雨は止み、西塔「浄土院」で伝教大師御廟、阿弥陀堂、拝殿内それぞれで法楽を捧げられた。
そして法華堂・常行堂、釈迦堂、横川の諸堂巡拝を終えられ、飯室不動堂へと移動。最終地の滋賀院門跡では、天台宗と延暦寺の役職員、延暦寺学園関係者と生徒が出迎える中、御成門をくぐられ、内仏殿へと進まれた。
奉告を終えられたあと、謁見の間で獅子王圓明延暦寺執行は「ご上任関連の行事が続きます。ご自愛いただき、われわれをご教導ください」と労いのことばをかけた。
藤座主猊下は、随行者への感謝を口にされ、「みなさんとご一緒に宗祖伝教大師のみ教えを敷衍したく存じます」と“おことば”を述べられた。
聖徳太子御廟などでご奉告
5月12日には京都御所、そして日本仏教の礎を築かれ、伝教大師も尊崇された聖徳太子にご上任を奉告されるため、太子ご創建の四天王寺(大阪市天王寺区)を訪問。
続いて叡福寺(南河内郡太子町)境内にある聖徳太子御廟へと向かわれ、御霊に奉告された。また16日からは、2日間の日程で東京に出向かれ、皇居でご記帳されたほか、寛永寺、深大寺をご参拝。翌17日は、浅草寺、母校である大正大学を訪問され、各所で歓待を受けられた。