細野内局が初宗議会臨む
万博に魅力交流委員会が参加へ
第百五十八回通常宗議会(大澤貫秀議長)が2月18日から20日まで開かれ、令和7年度通常会計予算11億8422万円余りを含む議案23件、報告3件を可決決定し全日程を終えた。

開会式で導師を務められた藤天台座主猊下は、「不惜身命率先教化にあたり、もって祖師先徳の鴻恩に報い奉る所存」と、改めて所信表明された。
そして「戦争や紛争による分断の深まり、不安定な経済や政治の諸問題、また自国の利益を最優先にする風潮が世界的に見受けられます。
今年で戦後80年を迎えますが、われわれ宗徒は平和への誓いを新たにし、宗祖大師の『忘己利他』『一隅を照らす』のみ教えを、道心をもって敷衍してまいらねばなりません」と“おことば”を述べられた。
続いて、細野舜海宗務総長が執務方針を述べ、歴代内局が最重要課題としてきた「人材の育成」「教えの普及」「寺院の存続」の三本柱を掲げ、「宗祖大師様の目指した仏の教えによる国の繁栄と、人びとが幸せに暮らす社会を実現するために、必要な教団運営の指針として継承する」と表明した。
令和7年度通常会計予算は、歳入歳出ともに11億8422万8千円。前年度より1699万7千円の減額とした。歳入では、寺院教会納金額一個数あたり270円で前年度から据え置いた。
予算編成について細野宗務総長は「物価の高騰による経費の増加と僧侶数の減少による礼録等の収入減により、大変厳しいものであることがわかった」と緊縮予算となったことを報告した。
また今宗議会では、長期的視点での宗務運営の方策を示すことは難しかったとも述べ「激変する社会情勢の中、問題意識を持つ機運は高まっており、何らかの方策を見出せるものと思う」と展望を語り理解を求めた。
6月10日に奉修予定の第二百五十九世天台座主伝燈相承式については、臨時収納金として法人寺院教会より一個数あたり20円、非法人寺院教会より一律2千円を求めることが議決された。
その他、臨時部に天台座主猊下の御座所改修工事費や伝教大師最澄1200年魅力交流大阪・関西万博事業天台宗拠出金など5科目を新設している。
声明公演など予定
宗祖伝教大師1200年大遠忌を機に立ち上がった伝教大師最澄1200年魅力交流委員会が、4月に開幕する大阪・関西万博へ参加することが細野宗務総長より報告された。
滋賀県の魅力を発信する「滋賀県デイ~びわ湖サマークルーズ~」の中で、活動に参加する大学生による延暦寺の歴史等の紹介や、延暦寺一山と天台宗僧侶による声明公演が予定されている。
細野宗務総長は「この行事等を通じて、伝教大師のご精神を世界に発信していきたい」と意気込みを話した。