天台宗について

The TENDAI Journal~天台ジャーナル~

天台ジャーナル 第261号

細野新内局が発足 宗門発展に全力誓う

阿部昌宏宗務総長の任期満了に伴う宗務総長選挙の選挙会が10月31日に行われ、南総教区観明寺の細野舜海住職の無投票当選が決まった。
 11月17日に天台宗務庁で宗務総長・参務任命辞令親授式が挙行され、大樹孝啓天台座主猊下より細野新宗務総長と6人の参務に辞令が親授された。任期は令和10年11月16日までの4年間。

新内局の略歴
宗務総長(天台宗代表役員)
参 務(天台宗責任役員)

【宗務総長】 細野 舜海(ほその しゅんかい)
昭和30年生まれ。69歳。南総教区観明寺住職。天台仏教青年連盟代表、南総教区研修所所長、宗議会議員5期などを歴任。令和4年5月~同6年2月まで宗議会議長。その他、天台宗海外伝道事業団常任理事、大正大学評議員などを務める。


【参務・総務部長】坂本 圭司(さかもと けいし)
昭和35年生まれ。64歳。神奈川教区遍照寺住職。神奈川教区教務主任、庶務主任、宗議会議員3期。

【参務・法人部長】 四竃 亮真(しかま りょうしん)
昭和30年生まれ。69歳。陸奥教区光圓寺住職。陸奥教区教区議会議員5期。

【参務・財務部長】 大⻆ 実豊(おおすみ じっぽう)
昭和38年生まれ。61歳。延暦寺一山嚴王院住職。延暦寺副執行・財務部長2期。

【参務・教学部長】 村田 庸田(むらた ようでん)
昭和36年生まれ。63歳。栃木教区全水寺住職。一隅を照らす運動教区本部事務局長、栃木教区社会主任、栃木教区宗務所長2期。

【参務・社会部長】 原 徳明(はら とくみょう)
昭和30年生まれ。68歳。群馬教区満勝寺住職。群馬教区教区議会議員3期、宗議会議員2期。

【参務・一隅を照らす運動総本部長】 荒樋 勝善(あらひ しょうぜん)
昭和36年生まれ。63歳。兵庫教区白毫寺住職。兵庫教区第6部主事、兵庫教区宗務所長2期、天台宗宗務所長会副会長。嗣講。

素晴らしき言葉たち -Wonderful Words-

言葉に記すと世界はとたんに不確かになる 私の「青」はあなたの「青」なのだろうか?

川崎 洋

 詩人であり、放送作家でもある川崎洋の『言葉』という詩から一部抜粋しました。

 この作品の面白さは言葉で伝えることの難しさを、言葉でしか表現出来ない詩に書いているところです。もしかしたら、私達がこの詩から読み取ったことも作者の本当の思いとは異なるのかもしれません。
 
 生物は集団で生きる限り、何らかの形でコミュニケーションを図ります。人の場合は言語ですが、時には、会話が噛み合わないということが起こります。それによってトラブルに発展する。

 誰でも気軽に言葉を発信できるSNSが、新聞やテレビに続く情報源になりつつある現代に生きる私達は、言葉をどう扱うかということを殊更に気をつけなければいけないのではないでしょうか。
 お釈迦様は、人の口の中には斧があると仰いました。悪い言葉を発したことで相手を傷つけ、自分自身もその斧で傷つけているということです。そして、「自分を苦しめず、他人を害しない言葉のみを語れ。これこそ、実に善く説かれた言葉なのである」という言葉を残されています。

 そんなところまで考えて言葉は発さないといけないのかと思うかもしれません。では、実際に手に斧を持っていると考えればどうでしょうか。周りに当たらないよう気遣ったり、自分が怪我しないよう注意を払ってからその斧を振り下ろすことでしょう。

 斧があれば太い丸太も簡単に割ることができ、便利で活用しますが、使い方を誤ると大事故に発展します。言葉のやりとりというのはそういうことではないでしょうか。

 言葉を扱う身として、常に心に留めておきたい一節です。

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