比叡山宗教サミット37周年「世界平和祈りの集い」
-祈りの精神を次世代へ-
比叡山宗教サミット37周年「世界平和祈りの集い」が8月4日、比叡山上にて開催され、諸宗教の代表者ら420名が共に世界平和へ祈りを捧げた。受け継がれてきた集いの精神を次世代へ継承するため、本年は若手宗教者の参画が積極的に推進された。(4・5面に関連記事)
例年宗教者が登壇していた「平和を語る」では、より幅広く多角的な視点から平和の意義や宗教者の責務を考えるため、ペシャワール会PMS(ピースジャパン・メディカル・サービス)支援室室長の藤田千代子さんを講師に招いた。「平和の力を信じ――中村先生の意志を継いで――」と題して、故中村哲医師と共に歩んだパキスタン・アフガニスタンでの医療活動や、食糧支援、用水路建設といった経験を振り返り、現地の厳しい状況や平和の尊さを伝えた。
またこの集いの「祈りの精神」を将来へ継承するための取り組みを始めており、若手宗教者にも参加を呼びかけた。次世代を担う宗教者を代表して、教派神道連合会から北川真喜子さん、神社神道から金子元紀さんが『比叡山メッセージ』を朗読。先達らによって紡がれてきた精神を再び胸に刻み、平和に向けた宗教者の使命と責務を再確認した。
「平和の祈り」では大樹孝啓天台座主猊下ら9人の教宗派代表者が登壇し、文殊楼横にある「世界平和の鐘」を天台仏教青年連盟の杉谷義恭代表と甲斐健盛副代表、小林伯裕副代表が鐘打。荘厳な鐘の響きに包まれる中、会場の参加者全員で黙祷し世界平和へ祈りを捧げた。
主催者代表として挨拶された大樹座主猊下は、「世界では大規模な自然災害や武力紛争が続き、命を落としている人々が多くおられる。
一刻も早い復興と和解へ向かうよう、共に強く祈り続けたい」と呼びかけられた。当日、YouTubeで生配信された「平和の祈り」の模様は、公式サイトにてアーカイブ動画の視聴が可能。
宮崎県日向灘を震源とする地震により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
天 台 宗
一隅を照らす運動総本部