各地で一隅を照らす運動推進大会
-運動理念を再確認-

埼玉教区(杜多堯慶宗務所長)は伝教大師のご命日にあわせた6月4日に埼玉県大里郡の高藏寺(吉田亮秀住職)で開催した。
開会の辞で杜多宗務所長は「伝教大師は、国宝となる人材育成が最も大切と考えられた。皆さんも日頃の運動を周囲や後世に伝えてほしい」と挨拶。その後、吉田住職を導師に法要が営まれた。
講演では、竹内純照一隅を照らす運動総本部長が「情けは人の為ならず」という言葉を紹介し、日常生活での気軽な「忘己利他」の実践を呼びかけた。
また瀧川善海吉祥寺住職が「生まれて 生きて 死んで それから…」を講演。人が生まれた時の通過儀礼(祝い)と、亡くなった後の供養の共通点を述べ、先祖から子孫へとつながる生命の尊さを伝えた。
-慈覚大師ゆかりの地で-
兵庫教区(井上真円宗務所長)は6月5日、新温泉町文化体育館・夢ホールで檀信徒会総会と併せて開催した。
平安時代に慈覚大師円仁が開湯したとされる湯村温泉で、檀信徒ら約300人が参会。講演では高野山真言宗高照寺名誉住職の密祐快師が「『南米に暮らすブラジル日系人のしあわせとは…』~私が南米ブラジルで学んだ事~」と題し、自身の経験やブラジル日系人の暮らしぶりを紹介した。
法楽では井上宗務所長が導師をつとめ、「伝教大師のご精神を弘めるため、檀信徒同士で協力して研鑽を積んでほしい」と挨拶。また宮本安隆教区檀信徒会副会長が「人と人とをつなぐ運動」の実践を会場に呼びかけ、来賓の柴田真成社会部長は「一生懸命に咲く紫陽花のように、周りを輝かせ、日本や世界中を照らしてほしい」と述べた。
また社会貢献活動や法灯護持に尽力する6名に表彰状が授与された。
-仏教の魅力を再発見-
神奈川教区(加藤浩照宗務所長)は6月9日、川崎市のKSPホールで開催し法話や講演、坐禅体験を通じて参加者らは学びを深めた。
開会にあたり叡山講福聚教会神奈川地方本部寶泉寺(ほう せん じ)支部による和讃が披露され、加藤宗務所長を導師に能登半島地震物故者慰霊法要が奉修された。
加藤宗務所長は「仏教やお寺の魅力を再発見してもらい、この会が一隅を照らすきっかけになれば」と挨拶し、来賓の竹内一隅を照らす運動総本部長が「各々ができる奉仕から実践してほしい」と述べた。
また一隅を照らす運動教区本部より、同運動総本部と神奈川県社会福祉協議会に募金が寄託された。
続く法話では、教区布教師会の須藤大惠会長と奥村良玄事務局長が身近な例を挙げながら「一隅を照らす」心構えを語った。
神奈川天台仏教青年会による「イスで行う坐禅」体験、「お寺・仏像研究家」の芸人「みほとけ」さんの講演が行われた。
-忘己利他の実践を-
東海教区(山田亮盛宗務所長)は6月22日に覚王山日泰寺で檀信徒会総会と併せて開催。釈迦の御真骨を奉安する日本唯一の聖地に日泰寺代表役員で宗議会議員の村上圓竜常覺院住職、柴田社会部長を迎え、約200人の参加者らが実践理念を確認しあった。(写真)
山田宗務所長は法楽後、伝教大師の「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」を紹介し「自分のことより他人の幸せを願う行動を実践することを大切に」と述べ、深谷英治教区檀信徒会会長に続いて柴田社会部長が祝辞を述べた。
檀信徒総会後は、東海天台仏教青年会が施餓鬼法要を声明と共に披露する「ウランバナの調べ~天台声明を通じて探る日本の文化~」を公演。善光寺別院願王寺の櫻井圓晋師による法話、叡山講福聚教会東海地方本部による御詠歌の奉詠、最後は唱歌「ふるさと」を全員で唱和し会場は一体となった。
なお記念品には、能登半島地震の早期復興と被災地支援の一助にとの願いが込められた、七尾市の「和ろうそく」が用意された。