北陸教区で甚大な被害
令和6年能登半島地震
-金沢市内で支援方針を協議-
令和6年能登半島地震の発生を受け、天台宗では1月9日に天台宗災害対策本部を設置した。
珠洲市の翠雲寺(岩尾照尚住職)と藥師寺(井上惠照住職)はじめ、金沢市内にある寺や多くの檀信徒らが被災している。
1月21日には、阿部昌宏宗務総長らが金沢市内にある4カ寺へお見舞いに訪れ、北陸教区の光照良浩宗務所長や天台宗防災士協議会、天台仏教青年連盟らと今後の支援方針を協議した。(4面に関連記事)

「被災地の情報収集、現地への救援調査団の派遣、救援方法の決定、救援活動の推進、救援募金の依頼」の5項目を重点に置くことを決めた。9日付けで全寺院に文書を送付している。北陸教区も14日に「災害対策本部」を設置した。
天台宗務庁社会部は、1日の発生直後から北陸、信越両教区の宗務所長に電話連絡し、被害状況の確認などを依頼。3日から9日にかけて、宗と延暦寺の両内局、天台宗防災士協議会、天台仏教青年連盟の代表者らとオンラインを活用しながら協議を重ね、方針などを検討してきた。また公式ホームページにお見舞文を掲載した。
石川県内には天台宗寺院が10カ寺あり、そのうち能登地方には珠洲市に2カ寺ある。翠雲寺では、本堂玄関と鐘楼堂が全壊。また、屋根瓦が落ち、境内の石塔や墓石が倒壊しており、檀信徒宅も津波による被害を受けている。
同市の藥師寺がある高屋地区全域で被害が大きく、金沢市内の各寺でも壁の剥離や墓石が倒壊するなどの被害が報告されている。
地震発生当時、本堂にいた翠雲寺の岩尾住職は「令和5年5月の地震より強い揺れを感じた。津波を避けるためすぐに高台へ移動し、その後は地区の集会所に避難した。
2週間経過し、今も電気は復旧していないが住民同士で支え合いながらなんとか生活している。住職として地区の皆さんに寄り添い、心のケアにも努めたい」と話す。
また、一隅を照らす運動総本部は「地球救援事務局」を窓口とする緊急救援募金を始めた。すでに宗内全寺院に文書で周知しており、3月25日(月)まで募っている。寄せられた義援金や支援金は被災地の各行政や公的支援機関などを通じて送られる。