福島教区
根本中堂落慶には檀信徒との登叡誓う
祖師方へ報恩感謝示す

教区内住職と寺庭婦人ら40名が随喜し、宗祖伝教大師へ報恩感謝の誠を捧げ、根本中堂が落慶の折には檀信徒共々に登叡し法要することをご宝前に誓った。
宗祖伝教大師一千二百年大遠忌をはじめとする祖師先徳鑽仰大法会は今年3月末で結願を迎えた。同教区では、令和2年に延暦寺での大遠忌教区法要を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により2度の開催中止を余儀なくされていた。
そして、ようやくコロナ禍も収束の兆しが見えたことで教区内住職と寺庭婦人が登叡し、伝教大師をはじめ大法会期間中に遠忌を迎えられた三祖師(慈覚大師、恵心僧都、相応和尚)へ報恩謝徳を捧げる法要を営んだ。
横山宗務所長は教区内住職の代表者19名を伴い一隅会館前を出立。天台宗と延暦寺の役員、福島教区から参加した住職と寺庭婦人らが待つ大講堂までを練り歩いた。
横山宗務所長はご宝前に表白を奏上し、全員で伝教大師の御遺戒と和歌を唱えて御遺徳を讃えた。
挨拶した阿部昌宏天台宗宗務総長は、東日本大震災からの復興に触れ「福島県における東日本大震災からの復興の12年は、地震、津波、原発事故、風評被害の四重苦の道のりを歩んでこられた。福島教区のみなさまは『己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり』の精神で被災地復興に尽力されてきた。天台宗はこれからも寄り添い続けていく」と約束した。
そして今法要については「昨今の社会情勢は、末法濁世(まっぽうじょくせ)閉塞感を打破するためには宗祖伝教大師の精神を発揚することであります。宝とすべきは道心であり忘己利他の実践です。
宗祖の御誓願である浄仏国土建設に向け、大法会期間は結願を迎えたが共に布教、教化に邁進してまいりたい」と述べた。また水尾寂芳延暦寺執行からも「変わることがない伝教大師の正しいみ教えと為すべき行動を信じて、不安を抱える人びとの心の救済に努めていかねばならない」と呼び掛けた。
横山宗務所長は「令和9年に完成をみる根本中堂大改修の慶讃落慶の際には檀信徒とともに登叡し、法悦に溢れる福島教区法要が厳修できることを心待ちにしている」と述べ謝辞に代えた。なお延暦寺へ根本中堂大改修の御供がなされた。
次代に繋げる為にも
祖師先徳鑽仰大法会は3月末をもって結願を迎えたが、大法会最大の記念事業である『根本中堂の大改修事業』の完成が控えおり、現在も修復の様子が間近で見学できる。コロナ禍により中止されていた天台宗と延暦寺の諸行事や団体参拝も徐々に再開されておりかつての賑わいも戻りつつある。
阿部宗務総長は総結願法要で、次の50年後の宗祖伝教大師一千二百五十年大遠忌に向けても、み教えを未来へ継承していくことを誓っており「コロナ禍も収束の兆しが見えた今、檀信徒はじめ多くの方々にご登叡いただき祖師方の報恩に触れて欲しい」と願っている。