慈愛の心で助け合い――天台宗全国一斉托鉢
天台宗では毎年12月1日に全国一斉托鉢を行っており、昨年も各教区や各部など全国で実施された。37回を数え「師走の風物詩」と親しまれている。この日を含め、寄せられた浄財は一隅を照らす運動総本部の地球救援募金などを通じて国内外の福祉活動等への支援に活用される。

平成9年(1997)からは12月を「地球救援活動強化月間」と定め、12月1日を全国一斉托鉢の日とし、「慈愛の心で助け合い」をスローガンに一隅を照らす運動の各教区本部、個別寺院単位で実施されている。
こうした毎年の取り組みが師走の行事として定着。全国の約41カ所では、托鉢行脚はじめ、街頭募金やバザーなど様々な方法で実施されており、心がこもった浄財が全国から年々多く寄せられている。
同日に比叡山麓坂本地区で行われた托鉢には、大樹孝啓天台座主猊下を先頭に、阿部昌宏天台宗宗務総長、水尾寂芳延暦寺執行、延暦寺一山住職並びに職員、天台宗務庁役職員ら約100名が参加。宗祖生誕の地・生源寺で大樹座主猊下の導師で法楽後、坂本地区の里道を戸口で読経しながら托鉢行脚を開始した。
玄関口で待ち受ける人も多く、心を込めた言葉を添えて大樹座主猊下に浄財を託す方もいた。また戸別托鉢、JRや私鉄の駅で街頭募金も実施された。
なお寄せられた浄財は、NHK歳末たすけあいと同海外たすけあいの他、各地の社会福祉協議会や日本赤十字社に寄託される。