宇佐神宮で『法華懺法』奉修―伝教大師一千二百年大遠忌法要―
大分県の宇佐神宮において9月26日、九州東教区(安部暁昇宗務所長)主催で「伝教大師一千二百年大遠忌法華懺法」が本殿で営まれた。伝教大師が入唐求法にあたり渡海の無事を祈願された八幡大神(宇佐八幡大菩薩)に神恩感謝を捧げ、宗祖の遺徳を讃えた。

それらの歴史的背景から明治期以前には、日常的に法華経が講じられてきたが、神仏分離、廃仏毀釈令により途絶えてしまう。しかし大正7年に一度、営まれたのを経て、昭和53年5月に復興。以来、九州東教区が毎年法華懺法を営み報恩感謝を捧げている。また10 年毎に、天台座主猊下による『法華八講三問一答』法要が営まれており、最近では平成30年に森川宏映天台座主猊下がご親修された。コロナ禍で3年ぶりとなった法要には、阿部昌宏天台宗宗務総長、水尾寂芳延暦寺執行を来賓に、調声(導師)の安部宗務所長、秋吉文隆教区顧問ら総勢25名の出仕並びに随喜僧侶らが神職とともに本殿までを参進。本殿で法要が営まれ、神前に玉串が奉奠された。法要後、参集殿にて開催された記念式典で小野崇之宮司は「大神さまが悦ばれた清めの雨中での法要は、まさに神仏一如。天台宗の皆さまと更にご縁を深めたい」と感謝し、森川天台座主猊下との思い出にも触れられた。
阿部宗務総長は「今日の法要はお大師様の教えを次の世代に繋げていく取り組み。また能行能言で、我々僧侶が身をもって実行しながら檀信徒を教化していかねばならない。大遠忌を終えた今を新たな第一歩として行動して欲しい」と呼びかけた。また水尾延暦寺執行は、森川猊下がご親修のおり、随喜した檀信徒らに述べられたお言葉を紹介し挨拶に代えた。
この日は、平成21年に開宗千二百年慶讃大法会の円成を記念して教区が境内に建立した『伝教大師 安南豊前宝塔院顕彰碑』前で役員らが法楽を捧げた他、法要終了後には研修会を開催。水尾延暦寺執行による記念講演が行われた。