被災寺院教会建物復興支援規程を制定
第146回通常宗議会
第百四十六回通常宗議会が2月18日から20日まで開催され、令和2年度予算11億4430万円や被災寺院教会建物復興支援規程制定案を含む議案15件、報告4件が可決・承認されて日程を終えた。
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開会式のお言葉で森川宏映天台座主猊下は、新型コロナウイルスについて触れ「神仏に一日も早く終熄するよう祈りを捧げることが我々の勤めでありましょう」と述べられ、罹患された方々の回復と犠牲者に哀悼の意を示された。
令和2年度通常会計歳入歳出予算は、前年度と同規模の編成とした。特に、現内局の任期満了を迎えるため、内局交代に伴う衣体調製費、第二庁舎整備費の他、寺籍簿制作費、『天台座主記』第五編刊行費などを計上している。現内局は就任当初、五%マイナスシーリングを実施し、その後の予算編成もできる限り前年度の枠内に抑える「ゼロシーリング」を採用、未使用額が生じていた事業の見直しや縮小を心がけてきた。
執務方針で杜多道雄宗務総長は「PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を意識しつつ、真に適正かつ効果的な予算計上を心がけてきた」と強調し、議員らに理解を求めた。
ここ近年多発する自然災害を鑑み、天台宗被災寺院教会建物復興支援規程を制定。それに伴い、新たに災害復興支援費収納規程制定案を制定し、天台宗災害救援並びに復興支援資金積立規程の一部改正案を上程した。
これまでも天台宗災害補償制度が設けられてはいたが、あくまで任意加入だった。そのため全寺院を対象とした新たな互助制度を作り、天台宗災害救援並びに復興支援に関する規程が適用されない被害にも支援を可能とした。具体的には、不慮の災害等によって主要建物を滅失または焼失した場合に対して支出するもので、支給額の上限は八百万円、再建復興予定額を超えない範囲で支給する。
また全寺院から支援費を収納するため、割当年額を定めた関連規程も設けた。その他、奨学金規程を一部改正。少子化や後継者不足、地方寺院の実情から、一般の大学院、大学、短期大学に就学する後継者にも奨学金を支給する。
令和3年6月に御祥当を迎える伝教大師一千二百年大遠忌まで一年半となった。その記念事業として4月から来年6月まで「不滅の法灯全国行脚」が実施されるなど、各記念事業が展開される。
杜多宗務総長は「天台宗寺院の檀信徒のみならず、全国の皆様方にも法灯に込められた伝教大師の御精神に触れたいただき、大法会の意義を宣布してまいりたい」と決意を述べた。