森川座主猊下、ローマ教皇とバチカン以来の再会
教皇のメッセージに賛意
森川宏映座主猊下は、11月24日に広島市平和記念公園で開かれた「平和のための集い」に参列され、ローマ教皇フランシスコ聖下と握手を交わされた。互いに笑顔で挨拶され、平成28年のバチカン以来の再会を共に喜ばれた。

森川座主猊下は、24日に平和記念公園で開かれた「平和のための集い」に招待され、全日本仏教会の江川辰三会長(曹洞宗管長)、大谷光淳浄土真宗本願寺派門主ら仏教代表と諸宗教代表者19名と共に参列された。集いは午後6時40分から始まり、フランシスコ聖下は広島県知事や広島市長らの歓迎を受けた後、「平和の巡礼者として、この地の歴史の中にある悲惨な日に、傷と死を被ったすべての人との連帯をもって悼むために参りました」と記帳。続いて森川座主猊下ら諸宗教代表者と握手をしながら一人ひとりに挨拶された。
被爆者代表者らへの挨拶後、原爆犠牲者に献花され、慰霊碑の前に置かれた燭台に火を灯し、会場全員で一分間の黙祷を捧げた。2名の被爆者の証言を受け、フランシスコ聖下は平和メッセージを読み上げ、「戦争のために原子力を使用することは、現代において犯罪以外の何ものでもない。核兵器の保有は倫理に反する」と厳しく非難。また「自分だけの利益を求めるため、他者に何かを強いることが正当化されてよいはずはない」とも述べた。そして「現代世界はグローバル化で結ばれているだけでなく、共通の大地によっても、いつも相互に結ばれている」と、相互連帯を強調した。
フランシスコ聖下が会場を後にするまで、2千人の参加者は拍手で見送った。終了後、森川座主猊下は「私たちの〝いのち〟は神仏から授かったものである。そのいのちを、人間が作った凶器である核兵器で奪うことは言語道断だ。また、原発はこの世からなくさなければならない。それが『己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなり』という伝教大師のご精神にも通じるだろう。教皇様は、みなで力を合わせて平和を作っていこうと呼びかけられたと思う」と賛同の意を表されていた。
(写真 (c)CBCJ)