平成31年延暦寺年賀式を執り行う
「平和で住みよい地球でありますように」
森川座主猊下が新年にあたってお言葉
年が明けた平成31年1月8日、比叡山延暦寺において延暦寺年賀式が催され、宗内諸大徳、山門出入方、政財界など多数の方が参列し共々に新しき年の門出を祝った。
法楽奉修の後、森川座主猊下より新年にあたってのお言葉があった。冒頭、平昌オリンピック・パラリンピックなど昨年のスポーツ分野やノーベル医学・生理学賞の受賞など日本人の活躍に勇気づけられたと述べられた。また、延暦寺総本堂根本中堂の改修事業の進捗状況に触れられ、着々と進められている旨を明らかにされた。
さらに、二年後の伝教大師1200年大遠忌を控え、宗祖の御教え、御功績を伝える「魅力交流事業」を進めることなどに触れられた。
そして、昨年襲った大阪北部や北海道胆振東部地震、西日本豪雨、台風被害など自然災害にも言及され、本年が平和で住みよい地球であるように祈念しますとのお言葉で結ばれた。(写真)
杜多道雄天台宗宗務総長も「科学技術の発展により便利な社会となったが、それに振り回され、元来備わっていた人間の能力が失われつつあるのではないか。宗祖の示された分かち合いや共生の教え、一隅を照らす精神を弘めていくことが我々の責務と思う」と新年にあたっての挨拶を行った。
また、毎年発表される「比叡山から発信する言葉」として『照続永劫(しょうぞくえいごう)』という言葉が小堀光實延暦寺執行より披露された。小堀執行は「宗祖伝教大師の御教え、御心は『不滅の法燈』のように脈々と世を照らし続けている。そのともしびを幾千代までも永く照らし続けていこうという言葉です」と意味を紹介、その実践を呼びかけた。