第32回
世界宗教者平和の祈りの集い開催
イタリア・ボローニャ
宗教指導者らが平和の架け橋に
カトリックの信徒団体である聖エジディオ共同体が主催する「世界宗教者平和の祈りの集い」が10月14日から16日まで、イタリア・ボローニャで開催された。
天台宗からは杉谷義純宗機顧問会会長・妙法院門跡門主を名誉団長とする十一名の使節団を派遣し、諸宗教指導者らと世界平和への祈りを捧げた。

今回のテーマは「平和の架け橋」とし、14日の開会式にはイタリア元首相で欧州委員会委員長を務めたロマーノ・プローディ氏をはじめ、ボローニャのマッテオ・ズッピ大司教、ボローニャ市長ら要人が出席し、期待感が示された。また聖エジディオ共同体創設者の一人であるアンドレア・リッカルディ教授からは「橋をかけることで対話が可能となり、平和への道を築ける」と今大会の趣旨が述べられた。
15日からは市内各所で分科会があり、そのうちの一つで杉谷顧問が「武器のない世界の創造」と題し発言した。
その中で、「祈りにもとづく対話を通して育まれる信頼関係こそが武器のない世界を実現させる近道である」と提言。軍隊や兵器が全く役に立たないという意味の兵弋無用(ひょうがむよう)を紹介し「宗教が理想論を述べているのではなく、人類の未来における現実の姿を示している。この祈りの集いが真の平和実現に向けて実り多きものとなることを期待する」と語ると、会場は拍手で包まれた。
最終日の16日には、仏教による「世界平和祈願法要」が営まれ、甘井亮淳財務部長、中村彰恵宗議会議長、今出川行戒延暦寺副執行らの出仕で杉谷顧問を大導師に厳修。祈願文が奉読され、日本から参加した他宗派の僧侶やボローニャ市民と共に世界平和実現を祈願した。
その後、閉会式会場のマッジョーレ広場まで諸宗教の代表者らが手を取り合って行進。子ども達との平和の交歓などの各セレモニーがあり、最後に平和宣言文が採択された。(写真) (次号詳報)