各教区に残された台風21号の爪痕
日本列島を襲う相次ぐ天災 2日後には北海道で地震
9月4日に上陸した台風21号は、西日本を中心に大きな被害を残した。また2日後の6日に、北海道胆振(いぶり)地方を震源とする地震が起き、大規模な土砂崩れや家屋倒壊が発生、広範囲の停電などが起き、北海道内に大きな影響が出た。北海道の地震では停電以外、天台宗関係の被害報告はなかったが、台風による大きな被害が報告されている。被災地の一日も早い復興が待たれるところである。

滋賀教区では、湖東三山の金剛輪寺(濱中大樹住職)・百済寺(濱中亮明住職)・西明寺(中野英勝住職)で多数の倒木や屋根剥離などの被害、また同教区の44カ寺以上で、倒木、屋根瓦破損、壁剥離、門の破損、塀の倒壊などが起きている。
京都教区は、妙法院門跡(杉谷義純門主)で壁の破損、庫裏、護摩堂の屋根破損や倒木多数があったほか、曼殊院門跡(藤光賢門主)でも倒木多数、塀や書院の雨戸破損など。また、毘沙門堂門跡(叡南覺範門主)では、弁天堂桧葺き屋根の破損、眞正極楽寺(奥村慶淳住職)で倒木による被害や位牌殿の瓦飛散などが起きている。教区全体では25ヵ寺から倒木や屋根損壊、門の破損、窓ガラス破損、土塀の倒壊などの被害が報告されている。
近畿教区では、天鷲寺(澤田圓明住職)、本山寺(百濟寂仁住職)、神峯山寺(近藤眞道住職)、道成寺(小野俊成住職)など多数の寺で倒木被害。また松尾寺(高岡保博住職)や妙王院(寺田裕慶住職)では、倒木が本堂参道を遮断したり、電柱が倒れ庫裏側に傾いたりした。同教区全体では、26カ寺から被害報告があった。
北陸教区では、中道院(西村智晃住職)で本堂漆喰壁の崩落、医王山寺(井上順圓住職)で金色堂屋根落下、庫裏破損などの被害。東海教区は、高田寺(柴田真成住職)で本堂(重文)檜皮破損や山門瓦の落下などの他、計6カ寺が被災した。三岐教区の華厳寺(久保寺美好住職)では、客殿屋根の銅板剥落、阿弥陀堂側面の壁崩壊、屋根瓦破損、などの被害があった。また同教区では、朝田寺(榎本義譲住職)、寶光院(鈴木孝慈住職)法輪院(久保寺福美住職)などでも被害があった。
その他、東京教区の普賢寺(小野茂明住職)、埼玉教区の東泉寺(河野亮玄住職)、光明寺(鶴岡信顕住職)、常光院(小久保彰田住職)、茨城教区の清瀧寺(雪草洋幸住職)、山形教区の平泉寺(難波良淳住職)などから被害報告があった。また、天台宗務庁も防水シート破損などの被害があった。