相応和尚1100年御遠忌法要
—根本中堂・無動寺谷明王堂・葛川明王院で厳修—
遺徳を偲び、御心を後世に伝える
祖師先徳鑽仰大法会の第二期を迎えている中、1100年御遠忌法要が11月2〜4日に亘り、比叡山延暦寺根本中堂、無動寺谷明王堂、明王院において厳かに執り行われた。連日に亘り、北嶺回峰行者はじめ宗内諸大徳が出仕随喜し、遺徳を偲び、御心を後世に伝えることを宝前に誓った。

得度前には、6、7年に亘り毎日根本中堂へ花を供え続けてきたと伝わる。回峰行者は今も比叡山中を歩いて礼拝するすべての箇所に供花するなど、教えが連綿と受け継がれている。
法要のスタートを切った2日は、草庵をかまえて苦修練行した回峰行の根本道場、無動寺谷明王堂で厳修。御祥当法要の大導師に叡南覺範毘沙門堂門跡門主、叡南俊照、光永覚道、上原行照、釜堀浩元大行満大阿闍梨、無動寺谷住職らが出仕して厳修された。
また、山王信仰へ深い敬慕の念を持っていた相応和尚を偲び、日吉大社の馬渕直樹宮司が祝詞を奏上した。
根本中堂で営まれた3日の御祥当法要は、森川宏映座主猊下を大導師に、延暦寺一山、各教区宗務所長ら約50人の出仕により厳修。(写真)
宗議会議員、五箇室門跡門主ら宗内役職者ら約150人が随喜し、ご詠歌と和讃を唱詠し功績を讃えた。
また叡南俊照大阿闍梨により世界平和や鎮護国家、万民豊楽を願う加持が奉修され、参列者全員で不動真言を唱えた。
4日の御祥当後法要は相応和尚が参籠し生身の不動明王を感得したといわれる葛川にある明王院で営まれ、全国から65人の回峰行者らが出仕。叡南俊照、光永覚道大行満大阿闍梨を調声に奉修された。
3日間の法要に随喜した大法会事務局局長の杜多道雄宗務総長は「仏教の根本は慈悲であります。そして慈悲の根本は『利他』の心です。ひらたくいえば『他の人が幸せになりますように』という願いのことです。『皆が一緒に幸せになろう』というのが法華経の教えであり、天台宗の宗祖伝教大師最澄上人の教えです。この『利他の願い』を実践されたのが相応和尚様であると申せましょう。そのご恩に感謝しつつ、自らも一隅を照らす人になることを誓いたいと思います」と語り、相応和尚を鑽仰し忘己利他の実践を呼びかけた。