第31回世界宗教者平和の祈りの集い開催
ドイツ ミュンスター・オスナブリュック
「平和への道」は他者と共存することで開かれる
カトリックの信徒団体「聖エジディオ共同体」が主催する「第31回世界宗教者平和の祈りの集い」が9月10日から12日までドイツ・ミュンスター、オスナブリュックにおいて開催された。天台宗では、西郊良光宗機顧問を名誉団長に、杜多道雄宗務総長、中村彰恵宗議会副議長、森田源真教学部長、小鴨覚俊延暦寺副執行ら12名の使節団を派遣し、諸宗教指導者と共に平和への祈りを捧げた。

世聖下の呼びかけでアッシジから始まり、以来、ヨーロッパ各地で年一度開かれている。
今回のテーマは「平和への道」。10日にミュンスターで開催された開会式には、ドイツのメルケル首相、ニジェールのマハマドゥ・イスフ大統領ら各国首脳も出席。
登壇者からの「平和とは他者と共存することであり、祈りこそが平和の交歓である」などとの発言に、メルケル首相は「諸宗教者の実り多き出会いが展開され、世界中に平和へのメッセージが発信されることを期待する」との言葉を寄せた。
11、12日には市内各会場で24の分科会が行われた。
11日には杜多宗務総長が「戦争とは常に『無益な虐殺』である」、12日には西郊宗機顧問が「アジアにおける宗教 世界市場という時代の命の尊厳」と題し、それぞれ提言した。
杜多宗務総長は、唯一の被爆国としての立場から核廃絶を訴え、戦争を強く非難。8月の比叡山宗教サミット30周年記念のメッセージを紹介し、世界の宗教者が協力し合い共存共生の世界確立を呼びかけた。また西郊宗機顧問は宗祖大師の教えを挙げ「“忘己利他”を高く掲げ、相互理解と連帯こそが世界平和と繁栄をもたらすものであることを世界に示して進んでいきたい」と力強く語った。
12日夕刻からはオスナブリュックの会場へ移動。各宗教・宗派で平和の祈り法要が執り行われた後、市庁舎前広場で閉会式が行われ『平和宣言』が採択された。